2020年06月14日

WW2 アメリカ陸軍基本動作 Vol.7 執銃2

WW2アメリカ陸軍における執銃動作の第3項です。
今回は執銃時の基本姿勢である"RIGHT SHOULDER ARMS"「右担え銃」、"LEFT SHOULDER ARMS"「左担え銃」、"PARADE REST"「整列休め」、"RIFLE SALUTE"「執銃時の敬礼」、"FIX BAYONETS"「着け剣」及び"UNFIX BAYONETS"「取れ剣」について紹介いたします。


"ORDER ARMS"「立て銃」からの"RIGHT SHOULDER ARMS"「右担え銃」
"RIGHT SHOULDER ARMS"「右担え銃」 ライトショルダー アームズ

WW2 アメリカ陸軍基本動作 Vol.7 執銃2
"RIGHT SHOULDER ARMS"「右担え銃」 動作1,2

WW2 アメリカ陸軍基本動作 Vol.7 執銃2
"RIGHT SHOULDER ARMS"「右担え銃」 動作3,4

"RIGHT SHOULDER"(予令)に続き"ARMS"(動令)が命令されたならば、
1挙動目、右手が顎の位置に来るまでライフルを持ち上げバットは右腰の前、バレルは左肩付近として身体を斜めに横切るようにする。
同時に左手は掌を上に向け、手首をまっすぐ伸ばしてバランスの取れる位置(※トリガーハウジングのすぐ前方)を握る。
2挙動目、
右手を人差し指と中指の間に角を入れるようにしてバットに当て、親指と他の指でストックを握る。
3挙動目、右手の握りを変えず、バレルを上側にして45°の角度でライフルを右肩に置く。
その時トリガーガードは肩のくぼみに当て、右肘は体側、前腕を水平にしてライフルは正面から見て垂直とする。
左手は肘を下向けにして体の正面で折り手首はまっすぐとして、全ての指を伸ばして結合し、人差し指の第1関節をレシーバーの後端に当てる。
4挙動目、左手をスマートに脇へ切り取るように下げる。


"RIGHT SHOULDER ARMS"「右担え銃」からの"PORT ARMS"「控え銃」
"PORT ARMS"「控え銃」 ~ポート アームズ


WW2 アメリカ陸軍基本動作 Vol.7 執銃2
"PORT ARMS"「控え銃」

"PORT"(予令)に続き "ARMS"(動令)が命令されたならば、
1挙動目、バットをすばやく下方向に押し、肩を支点にしてライフルを起こし、右手首を回してライフルがバレルを上にして体を斜めに横切るようにすると同時に左手でバランスの取れる位置(※トリガーハウジングのすぐ前方)を握る。
2挙動目、右手をストックの細い部分に持ち替える。


"RIGHT SHOULDER ARMS"「右担え銃」からの"ORDER ARMS"「立て銃」
"ORDER ARMS"「立て銃」 ~オーダー アームズ

WW2 アメリカ陸軍基本動作 Vol.7 執銃2
"ORDER ARMS"「立て銃」

"ORDER"(予令)に続き "ARMS"(動令)が命令されたならば、
1挙動目、バットをすばやく下方向に押し、肩を支点にしてライフルを起こし、右手首を回してライフルがバレルを上にして体を斜めに横切るようにすると同時に左手でバランスの取れる位置(※トリガーハウジングのすぐ前方)を握る。
2挙動目、右手をライフルから離し、上部スリングスイベルとスタッキングスイベルの間を握りなおす。
3挙動目、左手をライフルから離し右手でライフルを体の右側、バットが地面から3インチ(約7cm)の所までバレルを後方にしてまっすぐ下げる。
※(ライフルはやや前方へ傾いた、"TRAIL ARMS"に近い状態とする)
この時、左手は指を結合して伸ばし、前腕と手首はまっすぐにしてライフル(シリンダー・ガスアッセンブリー)に沿わせてやや下方に傾ける。

4挙動目、右手でライフルを(※銃床を前方へ出して垂直にしながら)ゆっくりと地面(※右足小指に触れる位置)に下ろし、同時に左手を横切るように体側へ戻し"ORDER ARMS"「立て銃」の姿勢を取る。
この際、ライフルを地面に落下、または叩きつける事は禁止する。


"PORT ARMS"「控え銃」からの"RIGHT SHOULDER ARMS"「右担え銃」
"RIGHT SHOULDER ARMS"「右担え銃」 ライトショルダー アームズ

"RIGHT SHOULDER"(予令)に続き"ARMS"(動令)が命令されたならば、
1挙動目、右手を人差し指と中指の間に角を入れるようにしてバットに当て、親指と他の指でストックを握る。
2挙動目、右手の握りを変えず、バレルを上側にして45°の角度でライフルを右肩に置く。
その時トリガーガードは肩のくぼみに当て、右肘は体側、前腕を水平にしてライフルは正面から見て垂直とする。
左手は肘を下向けにして体の正面で折り手首はまっすぐとして、全ての指を伸ばして結合し、人差し指の第1関節をレシーバーの後端に当てる。
3挙動目、左手をスマートに脇へ切り取るように下げる。


"ORDER ARMS"「立て銃」からの"PARADE REST"「整列休め」
"PARADE REST"「整列休め」 ~パレード レスト

WW2 アメリカ陸軍基本動作 Vol.7 執銃2
"PARADE REST"「整列休め」

"PARADE"(予令)に続けて"REST"(動令)が命令されたならば、
左足を12インチ(約30cm)スマートに開く。
両足はまっすぐ伸ばして身体を支えるが、開くと同時に等しく体重をかける。
同時に、ライフルの銃口を前方に傾けて右腕を伸ばし、右手はアッパーバンドのすぐ下でライフルを掴む。
左手を体の後ろで掌を後ろに向けて腰に置く。


※(執銃時の)"PARADE REST"「整列休め」からのATTENTION「気を付け」(ORDER ARMS「立て銃」)
"SQUAD ATTENTION"「分隊気を付け」 ~スクワーッド アテーンション
"ATTENTION"の命令により"ORDER ARMS"「立て銃」の姿勢を取る。


"RIGHT SHOULDER ARMS"「右担え銃」からの"LEFT SHOULDER ARMS"「左担え銃」
"LEFT SHOULDER ARMS"「左担え銃」 レフトショルダー アームズ

"LEFT SHOULDER"(予令)に続き、"ARMS"(動令)が命令されたならば、
1挙動目、バットをすばやく下方向に押し、肩を支点にしてライフルを起こし、右手首を回してライフルがバレルを上にして体を斜めに横切るようにすると同時に左手でバランスの取れる位置(※トリガーハウジングのすぐ前方)を握る。
2挙動目、右手をストックの細い部分に持ち替える(※"PORT ARMS"「控え銃」の姿勢)。
3挙動目、左手はライフルを離し、右手でストックの小さな部分をつかみバレルを上側にして45°の角度でライフルを左肩に置く。
その時トリガーガードは肩のくぼみに当て、同時に左手を人差し指と中指の間に角を入れるようにしてバットに当て、親指と他の指でストックを握る。左肘は体側、前腕を水平にしてライフルは正面から見て垂直とする。
4挙動目、右手をスマートに脇へ切り取るように下げる。


"LEFT SHOULDER ARMS"「左担え銃」からの"PORT ARMS"「控え銃」
"PORT ARMS"「控え銃」 ~ポート アームズ

a.
"PORT"(予令)に続き"ARMS"(動令)が命令されたならば、
1挙動目、右手でストックの細い部分を握る。
2挙動目、左手をバットから離すと同時に右手で"PORT ARMS"の位置へライフルを動かし、左手を(※"PORT ARMS"の位置で)握る。

b.
"LEFT SHOULDER ARMS"「左担え銃」は"ORDER ARMS"「立て銃」、"RIGHT SHOULDER ARMS"、及び"PRESENT ARMS"「捧げ銃」の姿勢から命令する事ができ、その際の動作は"LEFT SHOULDER"(予令)に続き、"ARMS"(動令)が命令されたならば"PORT ARMS"「控え銃」を実施し、次いで"PORT ARMS"「控え銃」からの"LEFT SHOULDER ARMS"「左担え銃」の要領で行う。


"LEFT SHOULDER ARMS"「左担え銃」からの"RIGHT SHOULDER ARMS"「右担え銃」
"RIGHT SHOULDER ARMS"「右担え銃」 ライトショルダー アームズ
"PORT ARMS"「控え銃」の姿勢を取り、次いで"RIGHT SHOULDER ARMS"「右担え銃」の姿勢を取る要領である。

"LEFT SHOULDER"(予令)に続き、"ARMS"(動令)が命令されたならば
1挙動目、右手でストックの細い部分を握る。
2挙動目、左手をバットから離すと同時に右手で"PORT ARMS"の位置へライフルを動かし、左手を(※"PORT ARMS"の位置で)握る。
3挙動目、右手を人差し指と中指の間に角を入れるようにしてバットに当て、親指と他の指でストックを握る。
4挙動目、右手の握りを変えず、バレルを上側にして45°の角度でライフルを右肩に置く。
その時トリガーガードは肩のくぼみに当て、右肘は体側、前腕を水平にしてライフルは正面から見て垂直とする。
左手は肘を下向けにして体の正面で折り手首はまっすぐとして、全ての指を伸ばして結合し、人差し指の第1関節をレシーバーの後端に当てる。
5挙動目、左手をスマートに脇へ切り取るように下げる。


"LEFT SHOULDER ARMS"「左担え銃」からの"ORDER ARMS"「立て銃」
"ORDER ARMS"「立て銃」 ~オーダー アームズ
"PORT ARMS"「控え銃」の姿勢を取り、次いで"ORDER ARMS"「立て銃」の姿勢を取る要領である。

"ORDER"(予令)に続き "ARMS"(動令)が命令されたならば、
1挙動目、右手でストックの細い部分を握る。
2挙動目、左手をバットから離すと同時に右手で"PORT ARMS"の位置へライフルを動かし、左手を(※"PORT ARMS"の位置で)握る。
3挙動目、右手をライフルから離し、上部スリングスイベルとスタッキングスイベルの間を握りなおす。
4挙動目、左手をライフルから離し右手でライフルを体の右側、バットが地面から3インチ(約7cm)の所までバレルを後方にしてまっすぐ下げる。
※(ライフルはやや前方へ傾いた、"TRAIL ARMS"に近い状態とする)
この時、左手は指を結合して伸ばし、前腕と手首はまっすぐにしてライフル(シリンダー・ガスアッセンブリー)に沿わせてやや下方に傾ける。

5挙動目、右手でライフルを(※銃床を前方へ出して垂直にしながら)ゆっくりと地面(※右足小指に触れる位置)に下ろし、同時に左手を横切るように体側へ戻し"ORDER ARMS"「立て銃」の姿勢を取る。
この際、ライフルを地面に落下、または叩きつける事は禁止する。


銃礼 執銃時の"RIFLE SALUTE"「敬礼」について。

"ORDER ARMS"及び"TRAIL ARMS"時の"RIFLE SALUTE"「敬礼」
"RIFLE SALUTE"「敬礼」 ~ライフル サリュート

WW2 アメリカ陸軍基本動作 Vol.7 執銃2

"RIFLE"(予令)に続き、"SALUTE"(動令)が命令されたならば、
左手をスマートに右側へ振り、掌を下方にして全ての指を伸ばして結合、前腕と手首はまっすぐ伸ばして人差し指の第1関節を(ライフルの)スタッキングスイベルとマズルの間に当てる。その際同時に受令者(敬礼する対象者)に頭と目を向ける。
直る際は左手を迅速に脇へ振って元の姿勢に戻し、頭と目を正面に向ける。


"RIGHT SHOULDER ARMS"「右担え銃」時の"RIFLE SALUTE"「敬礼」
"RIFLE SALUTE"「敬礼」 ~ライフル サリュート

WW2 アメリカ陸軍基本動作 Vol.7 執銃2

"RIFLE"(予令)に続き、"SALUTE"(動令)が命令されたならば、
左手をスマートに右側へ振り、掌を下方にして全ての指を伸ばして結合、前腕と手首はまっすぐ伸ばして人差し指の第1関節を(ライフルの)レシーバーの後端に当てる。その際同時に受令者(敬礼する対象者)に頭と目を向ける。
直る際は左手を迅速に脇へ振って元の姿勢に戻し、頭と目を正面に向ける。



"ORDER ARMS"「立て銃」からの"FIX BAYONETS"「着け剣」
"FIX BAYONETS"「着け剣」 ~フィクス バヨネッツ

WW2 アメリカ陸軍基本動作 Vol.7 執銃2

"FIX"(予令)に続き、"BAYONETS"(動令)が命令されたならば、

a.
銃剣鞘をベルトに装備している場合。
右手でライフルの銃口を左側へ倒し、左手でスタックスイベルの下を握る。
右手を手の甲を体側にして銃剣を握り、人差し指でスプリングを押しながら鞘から銃剣を引き抜き、マズルを僅かに見ながらバレルに銃剣を固定する。
右手でライフルを持ち、"ORDER ARMS"「立て銃」の姿勢を取る。

b.
銃剣鞘をハバーサックに装備している場合。
最もやりやすい方法で銃剣を引き抜き、固定する。

c.これらの動作は"CADENCE"で実施しない。


"ORDER ARMS"「立て銃」からの"UNFIX BAYONETS"「取れ剣」
"UNFIX BAYONETS"「取れ剣」 ~アンフィクス バヨネッツ

"UNFIX"(予令)に続き、"BAYONETS"(動令)が命令されたならば、
a.
銃剣鞘をベルトに装備している場合。
"FIX BAYONETS"「着け剣」の姿勢を取り銃剣のハンドルを右手で握り、人差し指でスプリングを押してハンドルがライフルのマズルの約12インチ(約30cm)上まで持ち上げる。
銃剣を握った右手を左に倒し手の甲を体に向けて鞘をわずかに見ながら銃剣を収納する。
この際、銃剣は左腕と体の間を通過する。
右手でライフルを持ち、"ORDER ARMS"「立て銃」の姿勢を取る。

b.
銃剣鞘をハバーサックに装備している場合。
上記の要領でライフルから銃剣を外し、最もやりやすい方法で鞘に収納する。

c.これらの動作は"CADENCE"で実施しない。

WW2 アメリカ陸軍基本動作 Vol.7 執銃2

WW2 アメリカ陸軍基本動作 Vol.7 執銃2

WW2 アメリカ陸軍基本動作 Vol.7 執銃2

WW2 アメリカ陸軍基本動作 Vol.7 執銃2


これまで3回に渡ってご紹介してましたが、以上が基本となる執銃動作です。
入隊した兵士は、実弾の装填や射撃を学ぶ前にまずこれらの銃の取り扱い動作の基本を学び、これらが号令によって頭で考えるより早く、体が反応するようになるまで繰り返し演練し、叩き込まれます。
何度か書いていますが、これらは決して式典等に向けただけの訓練ではなく、命令に即座に反応し正しい動作ができるようになる事を重視されています。
これらの事ができない兵士に実弾を取り扱う資格はなく、まして射撃などはさせないという強い意志が軍隊にはあるのです。
これらは決してアメリカ軍だけではなく、おそらく世界中の軍隊で行われている教育の一環であると思います。

リエナクトをしている、または目指している方は是非、これらの事を念頭において訓練をしていただければ、と思う次第です。





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