2022年01月28日

2022年BCo新年会レポートVol.5

2022年 BCo新年会レポートのVol.5です。
今回は初日の夕食についてお送りします。

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新年会レポートVol.4

2022年BCo新年会レポートVol.5

小銃小隊が訓練で汗を流している頃、KP(糧食班)は夕食の準備作業です。
夕食のメニューはチキンヘカ=ChickenHekka。
現在ではハワイの郷土料理で日系人が持ち込んだとされている、鳥のすき焼きのような料理です。

日系兵士達は戦地で農家等から得た野菜や鶏肉を醤油代わりのブイヨンと砂糖で味付けをして煮込み、ヘカを作って食べた事が様々な書籍やベテランの証言にあります。
またヘカは後方地域で待機中に個人間で集まって作った話や、糧食班が作って配った話もあります。
今回は鶏肉、野菜等の食材を現地調達したという想定で食材を用意しKPが調理しました。

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下処理が済んだ鶏をフィールドレンジのブッチャーナイフ、ブレードナイフを用いて解体し、鶏肉にしていきます。
鶏の下処理や解体方法もアメリカ陸軍のフィールドマニュアルに示されていますが、まったくその通りに解体できてはいません。

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大まかに「肉」にしたものを、今度は小型のナイフで調理及び食べやすい大きさへと切っていきます。
中隊のKP等で通常使用する鶏肉はパッケージされたもも肉等になりますが、今回は現地調達の想定なので内臓を除いた可食部は全て入れます。


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フィールドレンジの大鍋に鶏肉を、利便性のために使っている小鍋(フィ-ルドレンジの付属品ではありません)に野菜を入れ、準備出来た所でレンジに点火します。

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まず鶏肉を炒め、色が変わってきたところで野菜を投入。
今回は野菜はキャベツとタマネギを使用。
どちらも1940年代にイタリアでポピュラーに見られた野菜で、特に玉葱はよく農家の納屋の屋根から吊るされており、行軍中に失敬したと、語っておられたベテランも。
水を足し、砂糖とブイヨンで味付けをしてしっかり煮込みます。

同時にコメも炊きます。
当時のハワイ出身の日系兵士達はコメで育った者も多く、軍の糧食は合わない人が多かったそうです。
イタリア戦線、第5軍の司令官マーク・クラーク中将は日系兵のコメ好きを理解しており、隷下の部隊からコメを集めて日系部隊に送っていたという話も。
日系部隊の補給係もまた、他の白人部隊からポテト等と交換でコメを手に入れ、握り飯に調理したというエピソードも残っています。
決して毎日食べれるわけではなかったのですが、だからこそコメの食事に大変喜び、また携帯食が続くと「あぁ、コメが食べたい」と言っていたそうです。

現代人たる我々もコメを主食として育っています。
リエナクトも3日もするとコメの食事が大変ありがたく、美味しく思えます。


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調理している間、訓練を終えた小銃分隊は天幕でストーブを焚いて暖を取ります。
ちょっと取扱い方に誤り(正確には煙突の排煙開閉器がズレていた)があり、やや不完全な燃焼でしたがそれでも暖かいものです。


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完成した夕食を天幕内へ。
おのおのメスパンへ盛りつけます。
本来、宿営用天幕での食事は禁止されています。
それは衛生上、寝所と食事を分ける必要があったからですが、この日は気温等も考慮し天幕内で喫食しました。

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コメとチキンヘカを盛り付け、クレソンを沿えます。
クレソンもまた、イタリアで多く群生しており、野生のクレソンを詰んで料理に使ったエピソードがあります。
これらは戦地において特別な食事であり、いつも食べれたわけではありません。
ですが、日系兵の食事を語るに外せないものばかりであり、また「新年会」と言う趣旨からも大いに食べていただきました。



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夕食後、防御側として訓練に協力、参加してくれているドイツ軍ユニットも交え、座学による歩兵中隊の攻撃や防御について学びます。
座学は面倒な印象もあるかと思いますが(実際に教育する方も面倒ですw)、これらを実施しなければ、まず歩兵の行動について理解できません。
それらが理解できていないと、戦闘や戦闘に至るまでの様々なプロセスも中途半端になり、時には実際の行動とかけ離れてしまい、とても再現とは呼べなくなってしまいかねません。
機会を作っては、これらの教育もまた繰り返し実施する必要があります。

次回へと続きます。

















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Posted by 先任  at 17:12 │Comments(0)リエナクト教練会(Training)

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