2020年08月19日

WW2 アメリカ陸軍被服の参考 帽子編Vol.1

WW2 アメリカ陸軍被服の参考

WW2 アメリカ陸軍被服の参考 帽子編Vol.1

はじめに

第二次世界大戦において、アメリカ陸軍第100歩兵大隊が使用した被服についての参考ページを作成しています。
正確には戦前、1941年のハワイ第298及び299歩兵連隊に所属していた日系兵士が着用したものを含めていますので、第二次世界大戦において歩兵が使用した物、全般にあたります。
BCoに参加しているメンバー個人のコレクションからの参考画像で、特に記載が無い限りは実物の写真です。
ご存知の方も多いと思いますが、被服や装備品にはさまざまなバリエーションや改良などが存在していますし、それらをすべて紹介するのは困難です。
私や友人の所有する物の中で、比較的イメージして頂きたい物だけを載せています。

形状や色等が違うようなので「使用できるかどうかわからない」と思われる物は事前にご相談下さいますようお願い致します。
ここに載せた全てを用意する必要はありません。あくまで参考であり、レギュレーションの範囲内であればOKです。
同時にリエナクトメントにおいて、ここに紹介しているような実物を揃える必要もありません。
激しい環境下での使用も行うリエナクトメントにおいては、材質や作りが実物に近い限りレプリカ(リプロダクション)の使用を推奨いたします。

また、名称等はQMCカタログ名と併記して「日本で良く聞く呼び方」を選んでいるつもりです。
「あれが紹介してない」「これは間違い」などのご意見がございましたら、教えて頂けると大変助かります。
また、装備写真などを頂けるのも助かります。

※このページは製作途中です。今後も掲載は増えて行く予定ですが、おそらく私が生きている間に「完成」はしないでしょう。
※使用している写真の内、特に記載の無いものは「Msg. Merwin.J.Toome@bco_100bn」氏のコレクションよりお借りしています。



今回はギャリソンキャップ、と呼ばれる略帽と、ニットキャップについて紹介いたします。
訓練や日常勤務で使用されてきたキャンペーンハット(HAT,CAMPAIGN,1911)は1942年に廃止となります。
制帽として存在したサービスキャップ(CAP,SERVICE,WOOL,SERGE,ODとCAP,SERVICE,COTTON,KHAKI)は戦時となって1941年に支給停止となり、略帽としてギャリソンキャップ(CAP,GARRISON,odとCAP,GARRISON,KHAKI)を用いる事とされましたが、第100歩兵大隊では43年の中頃までは使用されていました。
夏季及び熱帯地域においてカーキコットン製制服着用時にカーキギャリソンキャップが、3シーズンのウール製制服着用時にODギャリソンキャップが使用される事が多かったですが、兵士達はしばしば野戦服にもギャリソンキャップを着用していました。※非戦闘時

WW2 アメリカ陸軍被服の参考 帽子編Vol.1

アメリカの帽子サイズは、帽子内側の円(頭部外周円)の直径のインチ表記であり、計算すると概略次のようになります。
外周(cm)÷3.2(円周率)÷2.5(インチ換算)=サイズ表記(インチ)。これを基にしたサイズ表は下記の通りです。

WW2 アメリカ陸軍被服の参考 帽子編Vol.1

※必ずしもサイズフィットを保証するものではありません。欧米人の頭部は日本人より先端が細く、帽子も楕円です。
※軍の帽子は現代の感覚より多少キツ目が適正サイズです。特に髪が長い場合は本来の適正サイズが小さく感じるでしょう。
※私見ですが、サイズ違いの帽子はめっちゃ格好悪いです。適正サイズの着用をお勧めします。

「CAP,GARRISON,od(StNo.73-C-18170~73-C-18194)」
「ODギャリソンキャップ」


WW2 アメリカ陸軍被服の参考 帽子編Vol.1

秋から冬季を経て、春までの期間、基本的な制服時等に着用するウールサージ製の帽子です。
ギャリソン、とは駐屯地(派遣地)の意味で、元々は第1次世界大戦時の派遣兵士が使用した「OVERSEAS CAP」とされています。
折りたたんでベルトやエポレットに挟んでもかさ張らないのも特徴です。
後述の「ODウールサービスキャップ(CAP,SERVICE,WOOL,SERGE,OD)」の支給停止に伴い、1941年採用(航空隊は1940年)から終戦まで幅広く使用されました。
当初は兵科を示すパイピングが付いていましたが(後述のPX品参照)、1944年に廃止されます。
第100歩兵大隊の兵士はハワイから寒冷地であるキャンプマッコイに来た際に支給されたためか、パイピングの付いた官給ギャリソンの着用が見られません。
またアメリカ陸軍ではクレスト、等とも呼ばれる部隊DIをギャリソンキャップ左前面に付ける事も多くありましたが、第100歩兵大隊では戦時中に部隊DIが無く(通常は連隊でDIを制定する)、1945年頃に第442連隊戦闘団のDIが支給されるまで付けない事がほとんどでした。
サイズ表記は上記帽子サイズです。
支給数は1枚とされていました。



「CAP,GARRISON,od(PX)」
「PX-ODギャリソンキャップ(私物)」


WW2 アメリカ陸軍被服の参考 帽子編Vol.1

秋から冬季を経て、春までの期間、基本的な制服時等に着用するウールサージ製の帽子で、PX(基地、キャンプ等にある売店)で兵士達が自費で購入したものです。
後述の「サービスキャップ(CAP,SERVICE,WOOL,SERGE,OD)」の支給停止に伴い、1941年の採用から終戦まで幅広く使用されました。
歩兵科を示すライトブルーのパイピングは官給品では1944年に廃止されましたがPX品には付いた物がほとんどです。
第100歩兵大隊の兵士はハワイから寒冷地であるキャンプマッコイに来た後、多くがこのような私物のタイプを着用しています。
またアメリカ陸軍ではクレスト、等とも呼ばれる部隊DIをギャリソンキャップ左前面に付ける事も多くありましたが、第100歩兵大隊では戦時中に部隊DIが無く(通常は連隊でDIを制定する)、1945年頃に第442連隊戦闘団のDIが支給されるまで付けない事がほとんどでした。
サイズ表記は上記帽子サイズです。


「CAP,GARRISON,KHAKI(StNo.73-C-18000~73-C-18024)」
「カーキギャリソンキャップ」


WW2 アメリカ陸軍被服の参考 帽子編Vol.1

夏季及び熱帯地域において、基本的な制服時等に着用するカーキコットン製の帽子です。
ギャリソン、とは駐屯地(派遣地)の意味で、元々は第1次世界大戦時の派遣兵士が使用した「OVERSEAS CAP」とされています。
折りたたんでベルトやエポレットに挟んでもかさ張らないのも特徴です。
後述の「カーキコットンサービスキャップ(CAP,SERVICE,COTTON,KHAKI)」の支給停止に伴い、1941年採用から終戦まで幅広く使用されました。
後に第100歩兵大隊所属となる日系兵士は当初、ハワイで訓練及び勤務についていたため歩兵科を示すライトブルーのパイピング付き「カーキギャリソンキャップ」を着用していました。
1944年にパイピングが廃止された後もしばらくは使用していましたが、ハワイから寒冷地であるキャンプマッコイに来た際にはウール制服が標準となりカーキ制服は使用しなくなります。
その後、終戦後や戦中に前線からハワイに帰還した際は、またコットンカーキ制服が使用されるようになりましたが、その時は後述の私物のタイプが主流となります。
サイズ表記は上記帽子サイズです。
支給数は1枚とされていました。



「CAP,GARRISON,KHAKI(PX)」
「カーキギャリソンキャップ(私物)」


WW2 アメリカ陸軍被服の参考 帽子編Vol.1

夏季及び熱帯地域において、基本的な制服時等に着用するカーキコットン製の帽子でPX(基地、キャンプ等にある売店)で兵士達が自費で購入したものです。
歩兵科を示すライトブルーのパイピングは官給品では1944年に廃止されましたがPX品には付いた物がほとんどです。
後述の「カーキコットンサービスキャップ(CAP,SERVICE,COTTON,KHAKI)」の支給停止に伴い、1941年採用から終戦まで幅広く使用されました。
後に第100歩兵大隊所属となる日系兵士は当初、ハワイで訓練及び勤務についていたため歩兵科を示すライトブルーのパイピング付き「カーキギャリソンキャップ」を着用していました。
1944年にパイピングが廃止された後もしばらくは使用していましたが、ハワイから寒冷地であるキャンプマッコイに来た際にはウール制服が標準となりカーキ制服は使用しなくなります。
その後、終戦後や戦中に前線からハワイに帰還した際は、またコットンカーキ制服が使用されるようになりましたが、その時はこの私物のタイプが主流となります。
またアメリカ陸軍ではクレスト、等とも呼ばれる部隊DIをギャリソンキャップ左前面に付ける事も多くありましたが、第100歩兵大隊では戦時中に部隊DIが無く(通常は連隊でDIを制定する)、1945年頃に第442連隊戦闘団のDIが支給されるまで付けない事がほとんどでした。

この写真ではハワイ第299歩兵連隊のDIを着用しています。※全員が付けていたわけではありません。
サイズ表記は上記帽子サイズです。



「CAP,WOOL,KNIT,M-1941(StNo.73-C-64660~73-C-64680)」
「M-1941ウールニットキャップ」


WW2 アメリカ陸軍被服の参考 帽子編Vol.1

冬季及び寒冷地域において、ヘルメットインナーとして支給されました。
日本ではジープ帽等と呼ばれる事が多く、また当時の兵士(一部?)はビーニーとも呼んでいたそうです。
ウールニット製で伸縮性があり、耳まで覆う事が可能で防寒性がありました。

ヘルメットインナーとしてではなく、単体での着用は禁じられていましたが多くの兵士が野戦で着用し、WW2アメリカ兵の代名詞的なキャップとなりました。
ウールニットキャップは前線の兵士達によって様々に被られました。
ウールニットキャップは冬季の前線では裏返しにして被る事が散見されます。※右下部画像参照
これは寒冷時期においてより深く被る事ができ、耳を覆える範囲が広くなるからであろうと考えています。
サイズ表記は伸縮性があるためS,M,Lの3サイズです。

WW2 アメリカ陸軍被服の参考 帽子編Vol.1

WW2 アメリカ陸軍被服の参考 帽子編Vol.1

参考文献
・U.S.ARMY ARMY SERVICE FORCES CATALOG QM Sec.1 QUARTERMASTER SUPPLY CATALOG ENLISTED MAN'S CLOTHING AND EQUIPMENT AUG.1943
・U.S.ARMY ARMY SERVICE FORCES CATALOG QM3-1 QUARTERMASTER SUPPLY CATALOG ENLISTED MAN'S CLOTHING AND EQUIPMENT MAY.1946
・U.S.ARMY EUROPEAN THEATER OF OPERATIONS G.I.Collector's Guide Vol.1&2 Henri-Paul Enjames
・Uniform of the U.S.Army Ground Forces 1939-1945 Vol.1-7. Charles Lemons
・Words collection of Sgt.N military uniform guidance and pointed out 2002-2021
・二世部隊物語 菊月俊之





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Posted by 先任  at 21:58 │Comments(3)装備被服参考

この記事へのコメント
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https://www.chicme.com/category/Accessories/1cde3837-ef1e-4c73-9b52-7b2a3fb57283.html
Posted by Justinrem at 2021年08月26日 20:22
Don't make a mistake in writing.
are you an idiot.

Write after making WAC uniforms for WW2 and U.S. ARMY.
Stupid.
Posted by 先任先任 at 2021年08月28日 00:55
Music has tied us
Keyboards & Pianos
https://fas.st/NNXXI

Drums & Percussion
https://fas.st/Vay4s

String Instruments
https://fas.st/32jbD
Posted by Justinrem at 2021年09月05日 01:43
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