2022年08月03日
BCo 2022サマートレーニング Vol.1
2022年7月。
BCo/100Bnは夏季トレーニングを実施しました。
レギュレーション等の詳細はこちらをご確認下さい。
想定時期は1943年6月。
第100歩兵大隊はキャンプマッコイから移動し、ルイジアナ州での大規模な機動演習に参加していました。
被服は1stパターンのHBT(ヘリンボーンツイル)作業服の支給が開始されており、旧型のブルーデニム作業服と混在して使用されていた頃です。
装備についても一部、新型の装備の使用が開始されていましたが、アメリカ国内での訓練ではまだまだ旧型の装備が広く使用されていました。
第100歩兵大隊ではこの頃、M1ライフルの配備が進んでおり、旧型のM1903ライフルと混在していた時期です。
退避所(猛暑が予想される為、調理場と兼ねて休息できる天幕(Largefly)を先に設営)を設営し、着替えが済んだら昼食を支給します。
調理場の都合もあり、簡易な食事としました。
コンビーフとタマネギ、マスタードとサワークリームのサンドイッチにバナナ、アップルジュースです。
昼食後、夕食の仕込を。
日系部隊では、しばしば支給糧食に飽き足らず、現地で「調達」した食材を使った物を食べていたエピソードが多くあります。
このルイジアナ機動演習でも、近隣の農家から失敬した豚を調理して食べた話がありました。
(大隊が後に農家に代金を支払ったそうです)
彼らの出身地であるハワイでは「カルアポーク」と呼ばれる豚肉料理があります。
これは豚をまるごとバナナの葉に包んで地中に埋め、その上で長時間焚火をする事で蒸し焼きにするもので、それはルイジアナ機動演習中にも実際に行われたそうです。
今回は地中に埋めて火を焚くのは色々問題がありますので、フィールドレンジを使用して調理しました。
塩のみで味付けしたブロック肉をキャベツで包み、更にバナナの葉で包んで鍋で蒸し焼きにします。
約3時間加熱しました。
3時間の過熱後がこちら。
バナナの葉はほぼ炭化しています。
肉汁を吸ってクタクタになる予定だったキャベツも炭化したのか跡形もほとんど無く消えていましたw
肉の方は良い感じに仕上がっています。(一部炭化しましたが)
パンに乗せたり、挟んだりでいただきました。
さて訓練ですが。
初日午後、準備を整えで野営地を出発。
森の中を前進。
大変な暑さと日差しでしたが、森の中は比較的マシでした。
訓練予定地に着。
今回の目的である野戦築城、個人の簡易な陣地(foxhole)の構築について説明します。
U.S.ARMY FM5-15より。
装備を下ろし、構築開始。
まず、Crouching=座射の可能な壕を掘ります。
直径が3ft(約90cm)、深さ1ft6inch(約45cm)で、前方(敵方)の盛土が6inch(約15cm)。
これをアメリカ陸軍では基本1名で歩兵用シャベルのみを使用して45分で構築する事となっています。
今回の訓練では、2名1組で交代しつつ1つの壕を構築しました。
実際には当然、1名で構築すべきものですが、猛暑をいう環境を考慮した上で、まずは訓練として概成する事を優先したためです。
指導官も掘りました。
指導側は掘らせるのが仕事ですが、実際に汗を流して掘る事で見本を示し、また一体感を醸成する事もできます。
やり過ぎても良くありませんので、そのあたりの匙加減は難しい所ですね。
CrouchingTrench=座射壕に入るBAR-Gunner(自動小銃射手)と、BAR-Assistant(自動小銃補助手)。
その名の通り、座りながら射撃ができる壕です。
最低限の防御能力しかありませんが、比較的短時間で構築可能です。
BARとBAR-Assistantは、後に2名用射撃壕(2men-foxhole)を使用するようになりますが、開戦前のFMにおいては「1Menfoxholeを使用する。その仕様は通常のRifle-Men用と変わらない」とされていました。
最低限の戦闘する穴が「CrouchingTrench=座射壕」でしたが、時間的な余裕があれば次はKneelingTrench=膝射壕へと拡大します。
文字通り、膝立で射撃可能な壕で、具体的には深さが2ft-6inch(約75cm)となり、廃土は後方にも積むようになります。
構築時間は70分とされており、crouchingからは25分で概成する事に。
「KneelingTrench=膝射壕」から膝射撃姿勢をとるBAR-Gunner(自動小銃射手)と、BAR-Assistant(自動小銃補助手)。
その名の通り、膝立ちでの射撃ができる壕で、crouchingに比較すると安全性は高まっていますが、次の段階であるStandingTrench=立射壕まではまだまだです。
本来、更に時間的余力があればこのままStandingTrench=立射壕まで掘り進めるべきでしたが、時間(日没)の制約と、参加者の体力等を考慮した上で、初日の訓練はここまでといたしました。
次回、Vol.2へと続きます。
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