2022年08月07日
BCo 2022サマートレーニング Vol.3(最終稿)
2022年7月。
BCo/100Bnは夏季トレーニングを実施しました。
レギュレーション等の詳細はこちらをご確認下さい。
なお、前号Vol.1はこちら。Vol.2はこちらです。
想定時期は1943年6月。
第100歩兵大隊はキャンプマッコイから移動し、ルイジアナ州での大規模な機動演習に参加していました。
被服は1stパターンのHBT(ヘリンボーンツイル)作業服の支給が開始されており、旧型のブルーデニム作業服と混在して使用されていた頃です。
装備についても一部、新型の装備の使用が開始されていましたが、アメリカ国内での訓練ではまだまだ旧型の装備が広く使用されていました。
第100歩兵大隊ではこの頃、M1ライフルの配備が進んでおり、旧型のM1903ライフルと混在していた時期です。
2日目の訓練、2項目は前日の続きでした。
1日目にKeelingまで構築した個人壕、foxholeをStanding=立射壕まで掘り下げます。
掘り始めた当初よりは木の根等は減りますが、土質が変わったり岩が出たりと厳しい作業です。
更に、掘り下げた穴は作業がやり辛く、また掘った土を排出するのに腰から上下運動が必要で、体力を使います。
効率良く掘り進めるには色々とコツや経験が必要になりますが、なかなか言葉で説明するのは難しいですね。
このあたりもまた、リエナクトを行う意義があると考えています。
規定の深さに達したら、盛土を固めます。
盛土は3ftの奥行が規定されています。
これは固めた土で3ftあれば小銃弾を防ぐ事ができるとされているためです。
ちなみにこの「奥行」は土嚢であってもほぼ同様で、通常は3列以上並べて積み上げないと防御効果が薄くなります。
また、よく見るような1列だけの土嚢だと、小銃弾が貫通するのは勿論、爆風などにも大変弱くなります。
更に、土嚢の場合でもシャベル等を使用してしっかり固める事も必要です。
参考まで。
BAR-Gunner Standing foxhole。
BAR-Assistant Standing foxhole。
なお、余裕がある場合は敵方から見て盛土等が見えないように草木で擬装します。
通常、草は根のついた地面ごとブロックのようにして切り出し、並べる事で自然な植生に見せかけます。
草木が無い場合、落ち葉なども有効に使えます。
擬装は手を抜かず、やり過ぎず、が良いと言えるでしょう。
前日からのCrouching、Keeling、Standingのfoxholeは戦闘が近しい場合に急いで掘る壕です。
その為、強度や深さ、広さは決して充分ではありません。
時間的な余裕がある場合、1men-foxholeや2menfoxholeへと進化させ、更に可能であれば各壕を交通壕で繋いで敵から守る陣地を形成して行くことになります。
過去に構築した1men-foxhole。
過去に構築した2men-foxhole。
午前の訓練を終え、昼食です。
C-Rationは1938年から開発開始、様々な試験を経て1941年8月から生産された携帯レーションで、「駐屯地給食用の未調理生鮮食材」Aレーション、「包装済み未調理食材」の野戦炊事であるBレーションの次と言う事で命名されました。
内容物は年代と共に変化していきますが、開戦後しばらくまではビスケット、キャンディ、コーヒー(当初は濃縮コーヒーで後にインスタントに)、砂糖で構成されるBユニットと、「ミート&ビーンズ」「ミートポテトハッシュ」「ミート&ベジタブルシチュー」のいずれかが入ったMユニットをそれぞれ1缶ずづ、2缶で兵士1人の1食分でした。
通常、歩兵の背嚢(ハバーサック)には6缶=3食1日分のCレーションを梱包する事とされていました。
今回はMユニットは「ミート&ビーンズ」を再現しています。
なお、Cレーションは現代ではコンビーフ缶等で使われる事の多い、キー巻取式の開缶方式で、兵士個人が缶切りを携行する必要が無いように考慮されていました。
余談ですが、缶切りを認識票のチェーンにぶら下げるのは、缶切りが必要なMCIレーションが主流だったベトナム戦争の頃の流行(12食入りのカートンに缶切りが4個しか入ってなかった為と推察)で、WW2ではそのような写真を確認した事は私はありません。
なるべく「当時の味」に近づけるよう努力をしていますが、空腹は最大の調味料。
みなさん、美味しそうに食べていました。
「努力」がまだ足りないのかもしれませんね。
食事後は埋め戻し、撤収作業を行い野営地に帰還。
整列し、装具被服。なにより身体の異常の有無を確認します。
説明では省いていましたが、健康状態のチェックは絶えず欠かさず実施していました。
普段でももちろんですが、特に厳しい環境では健康状態のチェックは必ず実施しなければなりません。
以上で今回のサマートレーニングのレポートを終わります。
最後に、今回撮影と調理、健康チェック等でご協力くださった「馬好き」さんの撮影した写真を紹介します。
当時の機材で撮影したものです。
・Camera PH-47E(Anniversary speed graphic)
・Camera lens Kodak 127mm
・Film Kodak 4x5film T-max320(番号220701~7) ,T-max100 (220708~9)
BCo/100Bnは夏季トレーニングを実施しました。
レギュレーション等の詳細はこちらをご確認下さい。
なお、前号Vol.1はこちら。Vol.2はこちらです。
想定時期は1943年6月。
第100歩兵大隊はキャンプマッコイから移動し、ルイジアナ州での大規模な機動演習に参加していました。
被服は1stパターンのHBT(ヘリンボーンツイル)作業服の支給が開始されており、旧型のブルーデニム作業服と混在して使用されていた頃です。
装備についても一部、新型の装備の使用が開始されていましたが、アメリカ国内での訓練ではまだまだ旧型の装備が広く使用されていました。
第100歩兵大隊ではこの頃、M1ライフルの配備が進んでおり、旧型のM1903ライフルと混在していた時期です。
2日目の訓練、2項目は前日の続きでした。
1日目にKeelingまで構築した個人壕、foxholeをStanding=立射壕まで掘り下げます。
掘り始めた当初よりは木の根等は減りますが、土質が変わったり岩が出たりと厳しい作業です。
更に、掘り下げた穴は作業がやり辛く、また掘った土を排出するのに腰から上下運動が必要で、体力を使います。
効率良く掘り進めるには色々とコツや経験が必要になりますが、なかなか言葉で説明するのは難しいですね。
このあたりもまた、リエナクトを行う意義があると考えています。
規定の深さに達したら、盛土を固めます。
盛土は3ftの奥行が規定されています。
これは固めた土で3ftあれば小銃弾を防ぐ事ができるとされているためです。
ちなみにこの「奥行」は土嚢であってもほぼ同様で、通常は3列以上並べて積み上げないと防御効果が薄くなります。
また、よく見るような1列だけの土嚢だと、小銃弾が貫通するのは勿論、爆風などにも大変弱くなります。
更に、土嚢の場合でもシャベル等を使用してしっかり固める事も必要です。
参考まで。
BAR-Gunner Standing foxhole。
BAR-Assistant Standing foxhole。
なお、余裕がある場合は敵方から見て盛土等が見えないように草木で擬装します。
通常、草は根のついた地面ごとブロックのようにして切り出し、並べる事で自然な植生に見せかけます。
草木が無い場合、落ち葉なども有効に使えます。
擬装は手を抜かず、やり過ぎず、が良いと言えるでしょう。
前日からのCrouching、Keeling、Standingのfoxholeは戦闘が近しい場合に急いで掘る壕です。
その為、強度や深さ、広さは決して充分ではありません。
時間的な余裕がある場合、1men-foxholeや2menfoxholeへと進化させ、更に可能であれば各壕を交通壕で繋いで敵から守る陣地を形成して行くことになります。
過去に構築した1men-foxhole。
過去に構築した2men-foxhole。
午前の訓練を終え、昼食です。
C-Rationは1938年から開発開始、様々な試験を経て1941年8月から生産された携帯レーションで、「駐屯地給食用の未調理生鮮食材」Aレーション、「包装済み未調理食材」の野戦炊事であるBレーションの次と言う事で命名されました。
内容物は年代と共に変化していきますが、開戦後しばらくまではビスケット、キャンディ、コーヒー(当初は濃縮コーヒーで後にインスタントに)、砂糖で構成されるBユニットと、「ミート&ビーンズ」「ミートポテトハッシュ」「ミート&ベジタブルシチュー」のいずれかが入ったMユニットをそれぞれ1缶ずづ、2缶で兵士1人の1食分でした。
通常、歩兵の背嚢(ハバーサック)には6缶=3食1日分のCレーションを梱包する事とされていました。
今回はMユニットは「ミート&ビーンズ」を再現しています。
なお、Cレーションは現代ではコンビーフ缶等で使われる事の多い、キー巻取式の開缶方式で、兵士個人が缶切りを携行する必要が無いように考慮されていました。
余談ですが、缶切りを認識票のチェーンにぶら下げるのは、缶切りが必要なMCIレーションが主流だったベトナム戦争の頃の流行(12食入りのカートンに缶切りが4個しか入ってなかった為と推察)で、WW2ではそのような写真を確認した事は私はありません。
なるべく「当時の味」に近づけるよう努力をしていますが、空腹は最大の調味料。
みなさん、美味しそうに食べていました。
「努力」がまだ足りないのかもしれませんね。
食事後は埋め戻し、撤収作業を行い野営地に帰還。
整列し、装具被服。なにより身体の異常の有無を確認します。
説明では省いていましたが、健康状態のチェックは絶えず欠かさず実施していました。
普段でももちろんですが、特に厳しい環境では健康状態のチェックは必ず実施しなければなりません。
以上で今回のサマートレーニングのレポートを終わります。
最後に、今回撮影と調理、健康チェック等でご協力くださった「馬好き」さんの撮影した写真を紹介します。
当時の機材で撮影したものです。
・Camera PH-47E(Anniversary speed graphic)
・Camera lens Kodak 127mm
・Film Kodak 4x5film T-max320(番号220701~7) ,T-max100 (220708~9)
第106回 ビクトリーショー展示
2025年 B Co新年会のお知らせ
2024年耐寒私物演習 Vol.4
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