2021年02月16日

Vosgesの戦闘 第442連隊戦闘団 Vol.3「失われた大隊」

アメリカ陸軍 第442連隊戦闘団 Vosgesの戦闘Vol.3「失われた大隊」をお送りいたします。


Vosgesの戦闘 第442連隊戦闘団 Vol.3「失われた大隊」
救出後の「失われた大隊」=第141連隊第1大隊の兵士たち。

前回までのVol.1、2では1944年9月29日 マルセイユ上陸から10月26日のBiffontaine解放、そしてBelmontへの後退までを書きました。
今回は「失われた大隊」=第141連隊第1大隊の経緯と記録を掲載いたします。
記録が入り込んでいて、私が上手く纏めていないので見難いかと思いますが、ご了承下さい。

参考資料については前回同様「ヴォージュ(Vosges)の戦闘及び「失われた大隊救出」における第442連隊戦闘団の戦死者数について」に加え、第141連隊の戦闘記録及び通信記録、また第36師団の記録を使用しています。
部隊記録等の所蔵元については「アメリカ国立公文書記録管理局 National Archives and Records Administration (NARA) Records」となっております。

Vosgesの戦闘 第442連隊戦闘団 Vol.3「失われた大隊」
第141連隊の連隊日誌(Regimental Journal)

なお、部隊の行動図は行動記録から可能な限りで起こしましたが、細部は正確ではない可能性があります。
また、現在のGoogleMapを引用し使用していますので、1944年当時とは地形が異なる可能性があります。

それでは「失われた大隊」と呼ばれる事となる第141連隊第1大隊の行動について記述します。
※22日~24日までの第442連隊戦闘団の行動は前回の記事をご参照下さい。
※前回までの記事と、多少前後する内容がありますが同時並行で動いている部隊ですのでご了承下さい。

この一連のVosgesの戦闘は連合軍第7軍が発令した第6軍団隷下の第3師団、第45師団、そして第36師団によるドイツ侵攻作戦の一部、"Operation Dogface"によるものでした。
"Operation Dogface"の目的はVosges山脈に陣取るドイツ第19軍を駆逐し、アルザス平原へ侵攻することとなっていました。


記録を記載する前に、簡単に用語と編制について記述します。

この地域には前述のとおり第6軍団隷下の第3師団、第45師団、そして第36師団が展開しています。

第36師団には師団長ダールキスト少将と副師団長。
司令部には参謀長の他、G1~G4までの各セクションの幕僚が居ます。
G1は人事管理、G2は情報、G3は作戦、G4は補給を担当します。
隷下には以下の部隊がありました。※1944年10月のヴォージュの戦闘時。
・第36歩兵師団 「C/S ROBERT」
・師団司令部
Vosgesの戦闘 第442連隊戦闘団 Vol.3「失われた大隊」
第36師団長 Mag.John Ernest Dahlquist

・第141歩兵連隊「C/S RONDO」
 ・第1大隊(A中隊、B中隊、C中隊、D(重火器)中隊)「C/S RONDO RED」 
 ・第2大隊(E中隊、F中隊、G中隊、H(重火器)中隊)「C/S RONDO WHITE」
 ・第3大隊(I中隊、K中隊、L中隊、M(重火器)中隊)「C/S RONDO BLUE」
連隊司令部にもS1~S4までの各セクションの幕僚が居ます。
S1は人事管理、S2は情報、S3は作戦、S4は補給を担当します。
・第142歩兵連隊「C/S 不明」
 ・同上
・第143歩兵連隊「C/S ROSES」
 ・同上

・師団砲兵司令部「C/S RUMPAS」
 ・第155野砲大隊(155mm砲×12門)「C/S RUMBLE」
 ・第131野砲大隊(105mm砲×12門)「C/S 不明」
 ・第132野砲大隊(105mm砲×12門)「C/S RUDDY」
 ・第133野砲大隊(105mm砲×12門)「C/S RUSSET」

・第111戦闘工兵大隊「C/S RULER」
・第111医療大隊「C/S RODEO」
・第36偵察騎兵隊(自動化)「C/S ROVER」

・師団特別部隊司令部「C/S RUFFLES」
 ・本部中隊
 ・第736軽火器整備中隊「C/S ROSCOE」
 ・第36補給中隊
 ・第36通信中隊
 ・憲兵小隊
 ・音楽隊
・第36防諜派遣隊

増強部隊
・第753戦車大隊
・第636駆逐戦車大隊「SHAMROCK」
・第442連隊戦闘団「C/S NEON」
 ・戦闘団司令部「C/S CARVINE」
 ・第100歩兵大隊「C/S NEON RED」
 ・第2大隊「C/S NEON WHITE」
 ・第3大隊「C/S NEON BLUE」
 ・第522野砲大隊(105mm砲×12門)「C/S NEEDLE」
 ・第232工兵中隊「C/S RULER DOG」
 ・他支援部隊

Vosgesの戦闘 第442連隊戦闘団 Vol.3「失われた大隊」
1944年10月8日撮影 フランス・ビフォンテーヌ付近の航空偵察写真(2枚を私が合わせて、戦域を表したものです)

1944年10月22日0800時:
第36師団命令
「第442連隊(第100歩兵大隊)はBiffontaineの北、西を確保し南方からの敵を阻止せよ。また、第3大隊はクロワトーマス=Croix Thomasで交差する村を攻撃確保せよ」
「第143連隊はレ・プリエール=Les Poulieres、ラ・シャペル=La Chapelle間の渓谷を通りビフォンテーヌ=Biffontaineへ向かえ」
「第141連隊はベルモント=Belmontを出発、師団左翼のヴァネモン=Vanemontを見下ろす森林地帯を確保せよ」
「第111工兵及び第232工兵は第141、143連隊進出に追従し、道路を開設して補給路を構築せよ」

10月23日
第141連隊第1大隊は1日分の糧食を携行し1158時にA中隊を先頭としてBelmontを出発、右側に位置する第100歩兵大隊と共に前進。その中間を第442連隊第3大隊が進みます。
断続的な冷たい雨が降る中の前進でした。
A中隊長マーティン・ヒギンズ中尉=1st Lt. Martin J. Higginsはブリーフィング時に大隊長、ウィリアム・バード中佐=Lt.Col William Birdに対し「強力な部隊の支援が得られなければ、高度差の大きい山間部で包囲される危険性がある」と伝えたそうですが、大隊長バード中佐は「強力な部隊が追従する」と答えたとヒギンズ中尉の回想にあります。
午後には第100歩兵大隊がビフォンテーヌを占領。
第1大隊は第442連隊第3大隊の占領区域を通過して、ビフォンテーヌ北東の森へと侵入。
第3大隊は第100歩兵大隊と交代し、第1大隊に追従しますが、その距離は開き気味でした。
その後夜間になり、第1大隊は敵の攻撃を受け前進が困難となりますが、後続の第3大隊とは距離があり、支援が受けれない状況となります。第141連隊は第1大隊の苦境に際し、翌朝から工兵中隊と第3大隊を投入しての支援を計画します。
各部隊はその場で防御態勢を敷き、翌朝を迎える事となりました。


以下は10月23日における第141連隊の戦闘記録及び442連隊が傍受した無線記録によるものです。
特に記載がない場合、第141連隊隷下部隊の記録と考えて下さい。

1200時:連隊前線指揮所をベルモント南方に開設。

1200時:連隊長より副連隊長へ。
第1大隊に対し、ブリエアから東方への進撃が下令。(1158時に出発)

1310時:G3(師団作戦幕僚)より副連隊長へ。
第100歩兵大隊ビフォンテーヌへの攻撃開始。

1422時:副連隊長よりG3へ。
第1大隊、目標への前進を開始。第3大隊はベルモントへ前進中。

1526時:S3(連隊作戦幕僚)より副連隊長へ。
第3大隊ベルモント着、A中隊(第1大隊)は地点300586へ前進。第7歩兵連隊は北方を前進中(地点省略)

1600時:第1大隊長よりS3へ。
第1大隊は第442連隊K中隊を超越し、ビフォンテーヌ北東の森へ前進。地点302587。

1630時:不明
第100歩兵大隊と交代した第3大隊は第1大隊が使用した経路を追従。

1745時:連隊長よりS3へ。
A中隊は地点320585(Hill624)着。東方より小火器による射撃を受ける。

1758時:連隊長よりS1(連隊管理幕僚)へ。
今夜は指揮所移動は実施しない。指揮所移動時はS1を前方に送る。

1800時:第1大隊より連隊長へ。
可能であれば、第3大隊による支援が必要。
:連隊長より第3大隊長へ。
翌朝、丘の上へ欲しい。迫撃砲を受ける為、今夜移動する必要はない。
針路は確保されている。
:第3大隊長より連隊長へ。
現在位置で壕を構築し待機する。

2010時:第1大隊長より連隊長へ。
100ヤード前方に重砲の射撃を受け100ヤード後退し、壕を構築。
B中隊は地点320585、A中隊は道路脇の地点320586、C中隊の1個小隊は地点309585、2個小隊が後方道路を確保中。
442連隊と連絡は取れていない。
:連隊長の解答
C中隊からパトロールを出し442連隊と連絡を取れ。
警戒の為の歩哨は充分な距離で配置せよ。
朝から前進を再開せよ。第3大隊が追従し支援する。

2045時:S3より工兵中隊LO(連絡将校)へ。
0600時に第3大隊と共に前進を開始し、支援を行え。

2055時:連隊長よりS3へ。
連隊長とS3は明朝1030に第2大隊指揮所へ前進する。派遣の車両14輌を待機させるよう副連隊長へ通知せよ。
第2大隊は訓練を継続し、2時間後に報告せよ。

2056時:S3より副連隊長へ。
明朝0600より第3大隊を第1大隊が接触した道路障害へ向けて出発させる。
ルートは地点309585から318601。※実際の第1大隊の進路とは離れている。

2140時:
連隊長より第2、第3大隊長へ。
0700までポイントNからラ・ウシエール=La Houssiereに至る地域の防衛を継続せよ。
第1大隊は適宜の場所から反撃を実施し、道路障害突破の可能性を探る。
第2、第3大隊は0600に行動開始し所定の経路により前進せよ。(地点省略)
各Ptでの報告を実施せよ。

2210時:連隊S3より442連隊へ
我第1大隊がビフォンテーヌ方面にパトロールを派遣する。
接触したならば通知されたし。

2230時:工兵LOよりS3へ。
工兵中隊は明朝0700時に第3大隊に合流する。

2240時:第1大隊長よりS2(連隊情報幕僚)へ。
捕虜からの情報。
敵は第244擲弾兵師団、第933擲弾兵連隊、第7中隊。
中隊の戦力は人員70名(本来は120名)、6挺のMG(機関銃)と小銃を装備。
捕縛位置は地点320585の大隊正面。
第244師団の指揮官はScharffer少将。第933連隊の指揮官はRollins大佐。
第244師団は南フランス戦線初期に特定した部隊。



上記の記録を見る限り、既に23日の時点で第1大隊は第3大隊と離れ、また強力な障害に当たって前進が困難になりつつあった事が伺えますが、まだこの時点ではそれほど深刻には受け止められていなかったのでしょう。
第3大隊は第1大隊の支援に、と伝えながら実際にはかなり北方の目標を指示されており、第1大隊へ追従していません。
また当初は第2大隊を予備として後方へ下げようとしていたのを第1大隊の状況変化により、すぐに投入を決定している事も読み取れます。

Vosgesの戦闘 第442連隊戦闘団 Vol.3「失われた大隊」
1944年10月23日 第141連隊の行動概要

10月24日
1030時:第36師団命令
「第442連隊を中央、第143連隊を右翼、第141連隊を左翼とし、サン・ディエに向けて前進せよ。」

第141連隊第3大隊がベルモント北に到着、同第1大隊はA中隊の1個小隊を大隊本部設営の為に残し、B、C、A中隊の順で深い森林地帯を南東へ前進します。
ジェラールメ=Gerardmerとサン・ディエの間に横たわる山岳部は斜面が急で、降り続いた雨によりぬかるみ、車両の通行が困難となっていました。師団命令により、工兵隊は泥濘に枕木を並べ、ワイヤーで引きながら戦車を通そうと努力しますが、かなりの時間と労力を要しました。
師団長ダールキスト少将は第141連隊本部を訪れ、更なる前進を命じますが、連隊の幕僚は揃って困難を訴えたと「US-SAMURAI」には記述されています。
第141連隊連隊長カール・E・ルンドキスト大佐=Col. Carl E. Lundquistは隷下部隊の前進による敵地での包囲、孤立の可能性を告げますが、師団長ジョン・アーネスト・ダールキスト少将=Mag.John Ernest Dahlquistは速やかなるサン・ディエへの前進を繰り返し、それに従ったとされています。
ビフォンテーヌにほど近いHill665にて側面からの攻撃を受けたA中隊はそれを撃退しつつ、本部との補給ルートの確保に苦心します。
第2小隊からパトロールを編成し、補給ルート確保のため出発させたA中隊でしたがこれは失敗に終わります。

後続の第3大隊と距離が開き始めた第1大隊はA中隊を左翼、B中隊を右翼とし、D中隊(重火器中隊)とC中隊の火器小隊がこれを支援して前進。
夕刻になりA中隊はデヴァント・ル・フェイ= Devant le Feysから山道を登る際中、「ユットパス」と呼ばれる峠を越えた直後に後背から中隊規模の敵の攻撃を受けます。

Vosgesの戦闘 第442連隊戦闘団 Vol.3「失われた大隊」
ユットパス付近の現在(2012年 Michael Basilone Remy氏撮影)

B、C中隊もまたHill645付近で強力な敵と遭遇し戦闘になっていました。
これらはドイツ軍の第933国民擲弾兵連隊と第198フュージリア大隊によるもので、追従できていない第3大隊との間に割り込む形の攻撃により、第1大隊主力は他の大隊及び大隊本部から切り離されます。
更にドイツ軍は森で伐採した木々で道路を塞ぎ、周囲に機関銃やロケット対戦車兵装を配置すると併せて各種の地雷を設置。あらゆる障害と火力で第1大隊を包囲します。
「前方へ待避」したA、B中隊は斜面を下り「トラパン・デ・ソール=Le trapin des saules(柳の罠と言う意味で深い森を指すVosges地方の方言)」と呼ばれる窪地、直径500m程の円形に近い平地へと出た所で周囲を包囲されている事に気付きました。

東方に「マーカー6」と名付けられた小さな丘陵地があり、ドイツ軍はそこから次第に第1大隊への包囲を狭めていきます。
残存の兵達はそれぞれに壕を掘り、周囲から迫る機関銃、砲迫から身を守ろうとしますが、降り続いた雨により壕はぬかるみ、冷たい水が溜まり始めます。
夜間になり、連隊長の命により第141連隊第2大隊は正面から、第3大隊は山頂部から第1大隊へ向けて前進し、包囲を解こうと試みるもドイツ軍はしたたかに攻撃を加え、第1大隊への接近を許しませんでした。
夕刻に負傷者を大隊の救護所へ送った担架隊が攻撃され、戻った結果味方へのルートが遮断された事実を知ります。

こうして第141連隊第1大隊は「失われた大隊」となります。
※実際には無線連絡が取れており、場所も確定していたので本当の意味で「失われて」はいませんでした。


以下は10月24日における第141連隊の戦闘記録及び442連隊が傍受した無線記録によるものです。特に記載がない場合、第141連隊隷下部隊の記録と考えて下さい。

0500時:第1大隊よりS3(連隊作戦幕僚)へ
A中隊パトロールを派出するも敵と遭遇。

0545時:第1大隊よりS3へ
パトロールは442連隊とは接触できず。

0600時:副大隊長よりS3へ
第3大隊行動開始。

0826時:442連隊第3大隊長よりS3へ。
442連隊第3大隊との交代は?
S3回答:
前線へ向かう途中で速やかに通知する。

0830時:S3よりG3(師団作戦幕僚)へ
第1大隊B中隊が今朝、前進を開始したが数百ヤード進んだ時点で敵小火器の射撃により停止。0600時に第3大隊は行動を開始、0800時に地点310585で報告があった。

1030時:連隊長よりS3へ。
第3大隊が道路障害を突破し、敵を分断して北側に追いやるので、北東方面について心配する必要は無し。また連隊本部を前線まで前進させる。

1005時:連隊長よりS3へ。
I中隊は0830時、Pt.32(地点316599)へ到達。
第3大隊の指揮所は地点316596.
I中隊は地点318601よりMG及び小火器による射撃を受け、これを撃退。
第3大隊はPt30(地点324595)へ前進中。

1050時:連隊長よりS3へ
第1大隊指揮所及びA中隊の位置"322588"、B中隊及びC中隊はPt.9(地点333585)及びPt.10(地点338578)。
大隊がPt.10で敵と接触中と思われる。すみやかに軽戦車を取得する。

1108時:第3大隊副大隊長からS3へ
K中隊の位置Pt.30"324595" 現在地は確保している。パトロールをPt.9及びPt.28に派出した。

1135時:131野砲大隊FO(第1大隊に付随する観測将校)から連隊長へ。
第1大隊は敵の砲撃を受けている。敵砲の概略位置への対砲迫射撃を要請する。

1230時:S3より第2大隊長へ。
緊急移動を準備でき次第トラックを使用し行う。

1300時:S3より連隊長へ。
戦車は報告されているか? 連隊で使用できる戦車は軽戦車4輌、中戦車4輌がベルモントにいる。
連隊長回答:すみやかに8輌の戦車を前線へ送れ。
対戦車小隊を付け。第3大隊の前線を交代させよ。
対戦車中隊長は他の対戦車小隊を率いて前線へ送れ。

1348時:副連隊長よりS3及び後方へ。
指揮所を地点288594へ移動させる。

1348時:S3より連隊長へ。
第442連隊は後退。
第2大隊をザモンタリュプト=Xamontaruptから現在地へ移動させる。

1410時:S3より131野砲大隊長へ。
FO(弾着観測将校)をB中隊に合同させよ。

1435時:S3より師団長へ。
4輌の中戦車が尾根の上に。
追加情報は得てないがB中隊は移動している筈。
---(判読不能)指揮官から戦車を得て良いか?
師団長回答:141連隊には戦車を渡しただろう。

1442時:131野砲大隊長よりS3へ。
地点307613、314607、312611へ砲撃しても良いか?
S3回答:ダメだ。射撃するな。

1446時:S3より師団長へ。
連隊長に1700時に停止し、現位置で戦車を取得するよう伝える。

1615時:連隊長より師団長へ。
2時間通信が途絶え、その間に2回の反撃を受ける。
最初の攻撃はフェイ= DEVANT LE FAYから北東方向に開始され、第1大隊指揮所とA中隊が攻撃を受けた為、対戦車小隊で増強を行う。。
敵は低地より道路を通って前進、また砲撃を受けている。
B中隊、C中隊は目標に向けPt.D(地点340579)まで下り、迫撃砲小隊を除くA中隊も射撃し、反撃を押しのけた。
K中隊は地点325596で北東から来た敵に反撃を受けた。K中隊を補強するため、L中隊を送る。
双方の攻撃は50~60名の敵であったと推定。攻撃準備射撃を受ける。
攻撃に対し、態勢は完全ではない。
第1大隊に戦車2輌、第3大隊に2輌、ビフォンテーヌに2輌、第2大隊に2輌の戦車を用意する。
第3師団と連絡は取れていない。

1630時:師団参謀長より連隊長へ。
指揮所を訪問した。師団長は兵士が壕に入り、良くとどまる事を望んでいる。
早朝に前進を開始せよ。
森の中では砲兵とよく調整せよ。
戦車が停滞することを心配せず、可能なように使用せよ。

1652時:連隊長よりS3へ。
第2大隊は前線指揮所に到達、2輌の中戦車を伴う。
大隊は右翼の道を下り、第1大隊と連絡を取って合同するように伝える。

1710時:S3より753戦車大隊副指揮官及びD中隊へ。
ベルモントの集結地へ移動せよ。日中に行動できる準備をなせ。

1730時:第1大隊よりS3へ
「食糧無し、水無し、弾薬無し。これらとSCR-300(無線機)用バッテリーを要請する」

1735時:S3よりS3補助へ。
敵は第1大隊指揮所を通り抜けたが、指揮所は戦闘の後復旧した。

1850時:連隊長より131野砲大隊へ。
敵の砲撃以外は静かだ。(※砲撃は行っているか、の意味?)
131野砲大隊回答:1小隊8門×4.野砲大隊とカノン砲中隊が毎時2発づつ(64発?)の砲撃を実施している。

1852時:副連隊長よりG3へ。
第2大隊は地点316585を集結地とし移動。第1、第3大隊は防御中。
南方より砲撃を受けつつあり。

1900時:131野砲大隊長より副連隊長へ。
131野砲大隊は深夜までビフォンテーヌ東方への砲撃を行う。必要ならば継続する。

1925時:副連隊長より第143連隊長へ。
143連隊から1つの砲兵を141の支援に欲しい。対砲迫に非常に有効。
143連隊F中隊回答:同様に射撃を行う。第1大隊のチャンネルに無線を合わせる。

1945時:副連隊長より工兵大隊長へ。
道は酷く修理が必要。師団長はすべての工兵が支援すると言った。
工兵LO回答:工兵は大隊の前進に合わせ、道を復旧して行きます。
他の工兵は後方から支援をしています。

1947時:副連隊長より第2大隊長及び第143連隊長へ。
第2大隊集結地へ到着、これより明日、第1大隊の位置(地点340575)へ接近させる。
戦車及び、57mm砲及び自走高射機関砲を第143連隊F中隊の位置(地点313575)へ送る。

2000時:副連隊長より師団砲兵へ。
対砲迫射撃は非常に有効に敵砲兵へ着弾している。砲撃を受けなくなった。

2100時:工兵大隊長よりS3へ。
午後から60~100発の砲撃を受けた。戦車及び自走砲からと思われる。


上記通信記録からだけでは、もう一つ第1大隊は包囲されていった状況は判り難いです。もちろん、これはリアルタイムで交信された記録ですので、それが全ての状況を把握しているわけではありません。
※把握していたなら、包囲という事態にはならなかったでしょう。

交信記録に加えヒギンズ中尉の回想と、「US-SAMURAI」の記述を見ながら多少憶測を加えて書きます。

Vosgesの戦闘 第442連隊戦闘団 Vol.3「失われた大隊」
1st Lt. Martin J. Higgins(10th Cavalry時代 1943年1月29日撮影)

交信記録から見る第1大隊各中隊の位置と、実際の位置には多少の乖離があると考えます。
第1大隊はこの24日のうちにトラパン・デ・ソールに閉じ込められ、包囲されているのは間違いありませんが、交信記録の位置はそれを示していません。

1050時の位置は昨日からさほど変化してないので正しいと仮定すると、その後攻撃を開始して移動していく過程で位置がズレたのではないでしょうか?

幾度となく敵の反撃を受け、迂回と突破を繰り返しているうちにその差は大きくなり、午後には大隊指揮所が攻撃を受け戦闘に巻き込まれます。
第1大隊指揮所が復旧、報告したのが1615時。その時点で第1大隊の各中隊は森の奥と移動しており、更に大規模な攻撃を受け、その報告もままならない間にトラパン・デ。ソールまで「前方に退避」したものと考えます。

夜間になり第1大隊は将校の集合を行います。集まったのは4人の中尉でした。
A中隊長1st Lt. Martin J. Higgins。
B中隊長1st Lt. Harry G. Huberth。
C中隊長1st Lt. Joseph P. Kimble
そしてD中隊第2小隊長1st Lt. Gordon E. Nelson。
大隊本部は攻撃を受けて分離させられており、大隊長以下幹部達の居場所は不明でした。この時、包囲された人員は275名とされていますが、当初は大隊のほぼ全兵力である600名が包囲下にあるとの情報だったようです。
またフランス人ガイド2名(HenriGrandjean氏、PierrePoirat氏)も一緒に包囲されています。
275名と言う数字は約2個中隊に満たない人数(1個小銃中隊は192名で編制されますが、35名は本部要員であり更に連戦による損耗があったものと考えます)で、記録だけでははっきりとしませんがB、C中隊の兵力とA中隊の一部及びD中隊の機関銃小隊及び迫撃砲小隊一部の合計がその包囲下に閉ざされた物と推測されます。
A中隊は火器小隊と小銃小隊の一部を大隊本部に残していました。
その大隊本部は敵の襲撃を受けて後退し、包囲の輪から外れて森へ。翌日には味方に合流することに成功します。
一方包囲された「失われた大隊」では、4人の中尉のうちA中隊長のマーティン・ヒギンズ中尉=1st Lt. Martin J. Higginsが暫定的な指揮官となり、防御の方針を示します。
残る兵力を持って円形に陣を敷き、全周を防御する。弾薬、糧食は集積して再分配し、その消耗を最大限節約する。第131野砲大隊から派遣され、一緒に包囲される事となった弾着観測士官、2nd Lt. Erwin H. Blonderと無線手が持つSCR-300無線機を最重要として守り、必要最低限の通信の他はバッテリーの損耗を防ぐ、等です。
また各小隊の前哨に有線電話を引き、それらからの報告を指揮所へ統合する事で敵の接近を早期に察知、要すれば砲撃支援を要請する事を計画しました。
火力は各中隊の火器小隊が持つ6挺のM1919機関銃とD中隊機関銃小隊が持つ2挺のM1917機関銃、そしてB中隊火器小隊の60mm迫撃砲が3門、D中隊迫撃砲小隊の81mm迫撃砲が2門の他、小銃及びカーバイン銃でした。
しかし地形と植生の問題から81mm迫撃砲は有効に設置することができなかったと回想されていますが、それを除けばほぼ1個大隊分に近い火力は保有していた事になりますが、問題は弾薬でした。
まる2日、戦闘を続けてきた結果弾薬は充分ではなく、それは何度も補給を要請していた事からも伺えます。


夜間になってヒギンズ中尉は各中隊から偵察隊を志願編成し、主力と連絡を取るために派出しますが、途中で地雷にかかり、更に銃撃を受けて大きな被害を受けます。
翌朝までに3名のパトロールが「トラパン・デ・ソール」のヒギンズ中尉の元へ戻り、残りは戦死または行方不明という結果となります。
しかし、この時敵の銃撃によってはぐれた1名、ペンシルバニア出身の ホレス・マレ二等兵=Pvt. Horace Maleは森の中をさまよった後に第141連隊の第111工兵大隊へたどり着き、第1大隊の置かれた状況と位置をほぼ正確に報告することができました。25日の朝の事でした。
また並行して、補給ルート確保の為に派出した3名も途中から前進が叶わず、戻った際に包囲された事実がはっきりとしました。

第36師団司令部でもこの事態は多少なりとも把握していたらしく、師団長は25日の0230時に休養に入っていた第442連隊の第2大隊に対し、待機命令を下しています。


Vosgesの戦闘 第442連隊戦闘団 Vol.3「失われた大隊」
1944年10月24日 第141連隊の行動概要

10月25日

「失われた大隊」の暫定指揮官となったヒギンズ中尉は早朝から48名の大規模なパトロールを編成(指揮官はC中隊のジェームス・ギルマン少尉=2nd Lt. James GilmanとA中隊のハロルド・C・クリピッシュ軍曹=S/Sgt. Harold C. Kripisch)、西側の味方方向を遮断した敵を突破し、補給のために接近していた第2大隊のパトロールとの接触を企図します。
しかし途中でドイツ軍が設置したSマインと呼ばれる対人地雷にかかり、敵に発見されてしまいます。
機関銃による銃撃、迫撃砲、更地雷によってに多くが戦死または行方不明となり、5名のみが翌朝トラパン・デ・ソールに戻りました。その際、同時に1名の捕虜を捉えています。


以下は10月25日における第141連隊の戦闘記録及び442連隊が傍受した無線記録によるものです。特に記載がない場合、第141連隊隷下部隊の記録と考えて下さい。
以後、包囲された第1大隊(A、B,C中隊及びD中隊の一部)を「LB」と記載します。

0045時:G3よりS3へ
爆撃任務計画は0900より目標(LB)包囲線から稜線森林内、南方及び東方。
G3が無線にて航空機を統制する。
S3は0830時に安全の為の目印の位置を報告せよ。

0648時:第2大隊S3より副連隊長へ。
重砲による砲撃を受けている。対砲迫の為の射撃班を得れるか?
砲撃は概略090°方向(東方)から。

0730時:連隊長よりS2へ。
第2大隊は道を切り開き、補給ルートを確保する。現在Pt.9で補給は停止させられている。
第3大隊はPt.28に強力な戦闘パトロールを送り、もし突破したならば他の部隊を送り出す。
K中隊への反撃はPt.28に推定20~30名の敵によって行われ、L中隊はK中隊を補強するために送られた。

0825時:G3より連隊長へ。
爆撃は地点364560を予定。航空機は南西から北東へ航過する。
弾着点中央は街の北東。
イヴー=IVOUX(地点310540)も爆撃するが、この北東には爆撃はしない。
連隊長回答:爆撃は長さ1200ヤード、幅600ヤードと推定。これらの場所は大丈夫。
両方の爆撃時に通知せよ。

0850時:S2よりG2(師団情報幕僚)へ。
敵は補給線を地点331586で断ちMGを設置した。
大量の重砲弾を浴びたため、道に沿って敵の観測所が見積もられる。
敵の位置はおそらく地点315630及びイヴー、少なくとも150mmを持つ砲兵。
地点360670及び地点357674にも敵が要る。
第3師団は障害に阻まれ。敵を谷底で押さえていない。

0905時:連隊長より戦車隊指揮官へ。
無線と共に連隊の前線指揮所へ来て、ベルモントに残る6輌の中戦車と連絡を取り続けよ。

0910時:第2大隊S2よりS3へ。
E中隊はPt.N(地点331588)。敵との接触無し。
前方より小火器の発砲音が聞こえる。A中隊のものと考える。

0927時:師団参謀長よりS3へ。
指揮所へ行く。

0927時:連隊長より師団参謀長へ。
道を車輛が行動する度に敵は砲撃を加えている。
敵は森の中で我々を監視する無線網を構築している模様。
我々は前線に4輌の軽戦車と4輌の中戦車を所有している。
師団参謀長回答:
師団長は他の7輌の戦車を可能な限り速やかに上に上げたいと考えている。
目標の森の端に監視哨を設置し、森全体へ兵力を配置するな。
目標が取られた場合、強力な増援がラ・ウシエールとヴァネモンから来る。
可能であれば、これらの街へ道路障害を設置せよ。

1300時:第141連隊長より
新たに前線指揮所開設。地点308587

1300時:S3よりS2へ。
A中隊の2個小隊はPt.E。B中隊、C中隊はA中隊と連絡中。
E中隊はPt.Nで接敵中。
A中隊の他の小隊はE中隊が接敵した敵の左翼から前進。
G中隊はA小隊へ接近中、接敵せず。
第3大隊の情報は無いが、K中隊がPt.30、Pt.28で接敵していると思われる。

1305時:第1大隊長よりS2へ。
E中隊現在地Pt.N。敵の侵入により補給ができない。

1305時:第2大隊長よりLBへ。
Pt.Nにおいて、味方部隊より補給を得る為に突破を試みる。
Pt.9においても味方部隊が接触を計る。
我々が接敵した敵は小グループだが、非常に攻撃的である。

1315時:S2よりS3へ。
1100に第3大隊は指揮所開設。地点3260

1315時:連隊長より131野砲大隊長へ
対砲迫射撃は待機中か?
131野砲回答:
1300に砲撃を実施。午後は敵の砲撃が南方からある間、断続的に射撃を行う。

1335時:連隊長より副連隊長へ。
まだ前線指揮所は砲撃を受けている。これらはイヴーより砲撃されていると思われる。

1400時:連隊長より副連隊長へ
今すぐ、タンクドーザー(戦車にブルドーザーのブームを付けたもの)が前線指揮所に欲しい。
111工兵大隊長回答:
必要なのはタンクドーザーですか、通常のブルドーザーですか?
連隊長回答:通常のブルドーザーで構わない。第3大隊が道路障害を除去するのに必要だ。

1450時:連隊長より副連隊長へ。
第442連隊第2大隊が第141連隊に組み込まれた。可及的速やかに大隊長は指揮所に報告せよ。
1545時:師団砲兵より副連隊長へ。
指揮所を訪れ、砲撃支援と対砲迫射撃について調整した。

1555時:連隊長より442連隊第2大隊長へ。
大隊はI中隊を超越し、包囲部隊を通過して高地を攻略、Pt32、28、25を保持せよ。
大隊はこれらの地点から141連隊左側面を防御せよ。
明朝0630までに連隊前線指揮所を通過せよ。

1600時:第3大隊長よりS3へ。
K中隊投入準備良し。第2大隊長へ連絡させる。
連隊長より:中戦車2輌を攻撃に使用する。

1608時:S3より第3大隊長へ。
第2大隊攻撃準備良し。
第3大隊の準備良ければ開始可能。

1610時:連隊長より131野砲大隊長へ。
対砲迫射撃開始。

1623時:LBより連隊長へ。
今、谷の観測をせよ。
連隊長回答:可及的速やかにFO(弾着観測将校)を観測所に配置する。

1630時:S2より連隊長へ。
野砲は我々の地域へ移動する気だったが、副師団長が許可しなかった。
連隊長回答:攻撃は1600に激しい砲撃によって開始された。
追加報告は無い。

1640時:LBよりS2へ
第198空軍野戦大隊から3名の捕虜を得て、以下の情報を入手。
1.現在、合計80名の人員で構成された2個中隊がある。
2.元々は3個中隊65名であったが、それぞれ2台の軽戦車の支援を受けており、3丁の機関銃を保有。
3.現在の地域に8日間滞在している。
4.捕獲地点321586

1642時:G3より副連隊長へ。
442連隊の大隊はいつ使用するか?
副師団長回答:明朝0630に道路交差点をクリアさせる。

1658時:連隊長よりS3へ。
対砲迫射撃を察知している敵砲へ行え。

1703時:副連隊長より連隊長へ。
143連隊F中隊は地点311574から地点313573まで進出した。
地点316584から電話線を構築する。

1710時:副連隊長より442連隊第2大隊長へ。
状況付与。
敵の監視が最も集中している連隊前線指揮所を、バイパスするための新ルートに偵察小隊を配置して示している。

1720時:副連隊長より143連隊第2大隊長へ。
貴F中隊の位置にパトロールを派出、今頃到達予定。
こちらのG中隊がHill624の反対側斜面で敵を発見した。

1730時:G2よりS2へ。
2名の捕虜の所属が新たに判明。
第202山岳大隊第3中隊。捕獲場所は地点314622.
各中隊は200名で編制されているが、他の5個中隊はこの地域に存在するか不明。

1735時:S2よりS3へ。
偵察隊が発見した新ルートについて。
連隊長は442連隊第2大隊のルートまたは時間を変更するか?
連隊長より442連隊第2大隊長へ。:
前線指揮所を通過するルートを使用。
部隊先頭は0500時~0600時に指揮所を通過せよ。

1803時:第3大隊長より連隊長へ。
K中隊は南側斜面を200ヤード前進した。
連隊長回答:L中隊はLBへ接近し弾薬と水を補給せよ。全員が2本の弾薬帯(バンダリア)と満水の水筒を持て。
L中隊はPt.9及びPt.10へ移動せよ。
その後I中隊は442連隊第2大隊が守る高地を通過し、戦車と共にK中隊を支援せよ。
補給物資を積載した戦車をLBへ送る計画中だが、もし無理な場合はL中隊を使用する。
1822時:連隊長より第3大隊長へ。
まぜ、タンクドーザーを送り返すのか?
もう使用しないのか。工兵隊が接触するまでこれを維持せよ。

1826時:第2大隊長より連隊長へ。
E中隊を使用し、K中隊へ連絡を試みる。
連隊長回答:大隊は今夜攻勢を維持し、敵を引き付けることでLBへの連絡が可能となる。

1831時:戦車大隊長より連隊長へ。
4輌の戦車を持ってきた。4輌は前線にある。
連隊長回答:戦車は今夜は指揮所の位置でとどまれ。

1934時:連隊長より131野砲LOへ。
午前に戦車を得て、A及びB中隊へ送る事を試みる。
戦車の移動を支援する為。2025時から2030時に地点327570へ砲撃を要請する。

2115時:第1大隊長より連隊長へ
斥候をPt10(338579)に派出。封鎖線に接触、 1名死亡、1名負傷。
連隊長回答:強力なパトロールを派出し封鎖線側面にあて、正面から攻撃を行う。

2140時:連隊長より副連隊長へ。
敵は第1大隊通過後、地雷原を設置し包囲を閉じた。

2142時:第1大隊長より連隊長へ。
戦車将校によれば、戦車隊は第1大隊が補給物資取得にパトロールを出すため、前進しないとの事。
連隊長回答:A中隊の移動は連絡を待て。

2151時:連隊長より第1大隊長へ
A中隊から強力なパトロールを派出、封鎖線を撃破して戦車隊が物資を輸送できるようにする。これが達成されたならば連絡するので必要に応じ、連隊長へ連絡を取れ。

2200時:連隊長より第2大隊長へ。
パトロールを派出し、143連隊F中隊と地点211574から地点313573で連絡を取れ。
有線電話を地点316584から構築せよ。

2330時:連隊長よりS3へ。
LBに関して大きな変更はない。
A中隊によるPt,10での突破は失敗した。
突破予定の戦車は調整不足により失敗。

第2大隊の位置。
G中隊は地点320583の道路上。E中隊はその左、地点320587で2輌の戦車の支援を得ている。
この両中隊は敵と接触中。パトロールと敵の位置への攻撃により夜間中、圧力を維持する。

F中隊(1個小隊欠)は地点315582、F中隊の1個小隊と対戦車小隊は地点308579にあり、143連隊F中隊と連絡中。
第3大隊の位置。
K中隊は地点322592の左に位置し、南方の敵と接触中。
2個小隊を敵の東方へ配置し、地点325597から332589の道路を解除する。
L中隊は地点319600。
I中隊は地点316603の左に位置し、主要道路にまたがっている。

地点309587に第1大隊を除く他の指揮所が開設されている。

442連隊第2大隊を含む第141連隊は0730に攻撃を開始する。
141連隊第2大隊は地点338579へ向かい、東に道路を下れ。
第3大隊は442連隊第2大隊を超越し、0730時に南東方向へ攻撃し、第1の目標地点331589へ向かえ。
第442連隊第2大隊は第3大隊の位置を通過し、地点321604、331597、341592の高地(Hill617付近)を防衛せよ。

第1目標が第3大隊によって確保されたならば、B目標(地点365567)を目指す。
第2大隊がLBに接触したならば、LBはPt.A(地点349563)を押し、第2大隊はルートを変え、地点322584南側から地点338579の南側までの森の端を延長して防護し、連隊を防衛せよ。

第442連隊第2大隊は目標に沿い、連隊の左側面を担当、第3大隊は地点347584から目標までを担当せよ。

Vosgesの戦闘 第442連隊戦闘団 Vol.3「失われた大隊」
1944年10月25日 第141連隊の行動概要

10月26日
前日の包囲突破を目的とした大規模パトロールも失敗に終わりましたが、士気は高かった、とヒギンズ中尉は述懐しています。
しかし、他の兵士達は異なる感想を持っていたようです。
ウィリアム・マーフィー二等兵=Pvt. William Murphyは入隊前の仕事、シカゴで自動車の整備をしていたこと、そして3人の子供の事を考えていました。
インディアナ出身のハワード・ジェサップ・アンダーソン軍曹=SSgt.Howard Jessup, Andersonは「ただ、穴にこもって一言も話さず祈り続けていた」と語っています。
ペンシルバニア出身でA中隊の先任下士官、ウィリアム・バンドリック曹長=1stSgt. William Bandorickは、「チョコレートケーキ、ベーコン、卵、そしてフラップジャック(英国由来の焼き菓子)・・・食べ物の事ばかり話していた」と言います。
携帯食料は初日でほぼ食べきり、彼らにはまともな食糧がありませんでした。
一部の兵士は砲撃で死んだ鳥を捕まえ、またキノコを探り当てたとありますが、もちろん全ての兵士に分け与えれる量ではありません。

また水の不足も深刻でした。
泥の混じった小さな泉があり、そこから夜中にこっそりと汲んでいましたが同時にその泉はドイツ軍も使用していたと記録されています。
ヒギンズ中尉はドイツ兵を泉で見かけても発砲しないよう指示していました。
人道的見地ではなく、水の汚染を防ぐためです。

Vosgesの戦闘 第442連隊戦闘団 Vol.3「失われた大隊」

Vosgesの戦闘 第442連隊戦闘団 Vol.3「失われた大隊」
現在のトラパン・デ・ソールの泉の様子(2012年 Michael Basilone Remy氏撮影)

敵の砲撃は日に日に増え、ツリーバースト(樹木に砲弾が命中し、殺傷力のある木片が飛び散る現象。後に日系兵士達もこれによって多くが負傷した)により被害も増えます。
彼らは規定よりも更に深く退避壕を掘り、木の枝や土で屋根を作ってそれに耐えました。
この地域のドイツ軍には「K-18」170mm重砲、88mm砲、ネーベルヴェルファー・ロケット砲等が配備されていました。

ヒギンズ中尉の報告からは砲撃により3名の戦死と28名の負傷が報告されています。

地上からのあらゆる補給が途絶えたため、空中投下による補給が計画されます。
細部は後述の無線記録に記載してあります。
ヒギンズ中尉は投下地点を示すためのマーカー作りを指示しました。
パーカーの内張り(マウンテンパーカーの可能性)、白シャツ等を裁断し、約8m(25フィート)の白い大きな矢印を作成。
また発煙手榴弾を木の上に付け、枝を利用して遠隔で発煙できるように仕組みました。

結局天候の不良、視界制限や連絡の不備もあり物資投下は28日まで行われませんでした。

以下は10月26日における第141連隊の戦闘記録及び442連隊が傍受した無線記録によるものです。特に記載がない場合、第141連隊隷下部隊の記録と考えて下さい。

0535時:連隊長より本部中隊へ。
工兵LO及び合流した工兵小隊を速やかにLBが来る前線へ送れ。

0643時:連隊長よりS3へ。
0415時に442連隊G中隊より頂上へ向かう道路の接敵線を案内する要請があった。
ガイドは0350時まで居たが、0600まで現れなかった。
連隊LOは0620時に442連隊第2大隊を前線指揮所へ入れ、連隊長が最終的に指示を出した。
S3の報告には0635時に442連隊の最後尾が指揮所を通過するとなっている。

0702時:連隊長よりS2へ。
0700時に第442連隊の先頭が指揮所を通過。

0714時:連隊長よりS2へ。
442連隊は小火器による射撃を受けて停止、大隊長によるとこれは砲撃の着弾区域であり、行程をクリアする必要がある。
また、第141連隊と有線を接続したいとのこと。

0734時:連隊長より第3大隊長へ。
只今、442連隊の最後尾が指揮所を通過した。、

0745時:G3よりS3へ。
第7連隊E中隊位置、地点304617、残りの大隊は地点314624でで北方を封鎖する。
師団長は141連隊と今朝、接触するように要求している。

0750時:第2大隊長より連隊長へ。
前線へ向かう。砲撃は南側の快闊地へと移動し、それを電話で確認できました。

0757時:第3大隊長より連隊長へ。
第3大隊攻撃を開始した。442連隊は位置を確保。

0805時:第2大隊長よりS2へ。
士官は一晩中活動している。1個中隊が所定の位置へ移動、他の2個中隊もまもなく配置する。

0815時:副連隊長より連隊長へ。
143連隊からの報告で、2輌の戦車がイブーの南方へ進発するのを視認した。
連隊長回答:1名が包囲線周辺の地雷によって死亡、442連隊は夜間を徹して配置を完了し、1個中隊はすでに進発した。
F中隊は既に射撃戦を実施していると思われる。

0830時:副連隊長よりG3へ。
2輌の軽戦車と2輌の中戦車が第3大隊に随伴、E中隊とA中隊にそれぞれ2輌の戦車が随伴している。

0845時:S3より工兵隊へ。
補給路を開く為、公平が必要。戦車が前線に到達するの道路が切断されている。
南東へ向かう"ERIVAL"(意味不明)の通路を要請する。

0850時:師団長よりS3へ。
指揮所へ行くので、S3は状況を説明せよ。

0923時:師団長より連隊長へ。
前線指揮所に行く。
連隊長回答:
第1大隊は36時間に渡り包囲下にあるが、砲兵用の無線機にて連絡が取れている。
今朝、接触を試みている。

0931時:連隊長より131野砲大隊長へ。
イヴーへ対砲迫射撃を実施しているならば、それを継続せよ。

0935時:第1大隊長より連隊長へ。
0835時にLBより連絡のあった包囲線突破の命令について受信を確認。

1008時:第3大隊長より連隊長へ。
L中隊はまだ拘束中、K中隊は左翼へ迂回中。
I中隊は定めた位置にいる。

1009時:442連隊第2大隊長よりS3へ。
レジスタンスと会合、通路を横切るのに時間を要する。

1011時:131野砲大隊長よりS3へ。
イヴーに対し対砲迫射撃実施。
その後、南方及び東方に砲撃をシフト。
敵の放火を鎮めたかを知りたい。

1020時:第2大隊長より連隊長へ。
敵が森に進出し、運動するのを阻止するため、観測員を定所に配置し、迫撃砲陣地を設置する為の場所を求める。
連隊長回答:
指揮官の必要に応じて使用せよ。ビフォンテーヌの東で多くの迫撃砲が活動している。

1030時:第Ⅵ軍団司令官より連隊長へ。
第Ⅵ軍団司令官、第36師団長、参謀長が指揮所へ行く。
LBについて。現在39時間包囲されている。
軍団司令官は442連隊第2大隊が東へ直進すべきと述べる。
141連隊は戦車を包囲線まで出し、直接射撃を行うべきで、歩兵にその両翼を回らせよ。

1040時:師団長より第143連隊長へ。
歩兵を随伴させた観測員を配置して第2大隊の側面から谷を観測させる。
そこからならば多くの目標を狙えるだろう。
LBが包囲する敵を突破するのを支援するため、谷を越え東方まで143連隊に攻撃させる可能性がある。

1045時:連隊長より第1大隊長へ。
第2大隊はSマイン(対人地雷)に遭遇したが、戦車を前線に送るチャンスはある。

1045時:師団長より131野砲大隊長へ。
LBと共にいる観測員へ連絡が取れるならば、彼らが充分な弾薬がある場合、攻撃を行うためのメッセージの送信をしたい。
131野砲回答:
最後の通信は0920時。

1047時:師団長より連隊長へ。
LBに対し、速やかに後方を攻撃させよ。
36時間も包囲下にあって、4個大隊を預けているにも関わらず行動していない。
速やかに攻撃を行え。
第442連隊第2大隊を待機させた。敵を砲撃できないのか?
連隊長回答:砲撃地点がLBに近く、砲撃は不可能。犠牲者が増える。

1050時:連隊長より師団長へ。
第2大隊について。
F中隊は森の区画、地点318578に入るよう指示、E中隊は停止。
ルート上をG中隊が下っている。
機関銃とFOを森に入れて観測する。
K中隊は側面に取り付いてる筈で、そこに442連隊第2大隊を配置する。
E中隊は150ヤード前進、K中隊は300ヤード前進。砲兵は使用できない。

1055時:第3大隊長よりS3へ。
反撃を受ける。敵は地点324591の高地の谷全体からK中隊の左翼へ来た。
L中隊を使用して敵を抑える事は可能。
連隊長回答:L中隊を使用せよ。戦車の支援を得よ。

1105時:連隊長より副連隊長。
442連隊第2大隊の1個中隊は地点314601であらゆる手段で戦闘を行え。
残る2個中隊は、今朝K中隊が位置した場所で行動せよ。

1108時:師団長より副連隊長へ。
連隊長に第2大隊の前方へ砲撃を要請させよ。
当初、目標へ砲撃。次に音を聞きながら調節せよ。
第2大隊にいるFOはこの実施が可能なはず。

1115時:S3より第2大隊長へ。
第2大隊FOを介して、音による砲撃の調整を行う。
効果確認の為、すぐに射撃を行い連隊長に通知せよ。
地点324591のK中隊に注意せよ。
師団長は143連隊F中隊が配置されていた場所に中隊を配置するよう命じている。

1118時:師団長より連隊長へ。
LBへのメッセージは伝えたのか。
連隊長回答:ちょうど文書のまとめ準備を終わらせ、今送信した
砲兵は地点332588地点からE中隊の前縁1000ヤードに照準中。

1122時:第3大隊長よりS3へ。
I中隊を支援していた戦車が後退した。
S3より戦車隊LO:
速やかに軽戦車を2輌、I中隊へ送れ。

1135時:131野砲大隊長より連隊長へ。
今、LBに居るFOを連絡が取れた。
連隊長回答:次のメッセージを送れ。
速やかにLBは全ての行程から後退し、Pt.1へ戻れ。繰り返す、速やかに。
ドイツ軍はPt,9を占領、第2大隊が確認。
Pt.30の南東北側。
K中隊がPt.Nに接触。
Pt.9を砲撃する。貴隊の位置情報は131野砲が押さえている。
了解を確認せよ。

1150時 :S2よりS3へ。
LBからのメッセージは以下の通り。
封鎖された道路上に伐採された木と対戦車砲が配置されており、これを排除するには工兵が必要。
・0800時:封鎖線に兵力を出している。
・0855時:封鎖線から移動し、作戦部隊へ連絡して敵を背後から攻撃する準備を完了。
・0920時:工兵は地雷を無力化する必要がある。
・0830時(0930のミスか?):第1大隊長より、強力な味方部隊が貴隊へ接近中であるとの連絡を受けた。

1153時:
連隊長より第442連隊長へ。
I中隊を超越したG中隊は地点319602で壕に入った敵と遭遇。
敵の火力線はI中隊の位置からHill617までと推定。
周囲を調査して、状況を推定する。
現在、攻撃計画を策定中、完了したら通知する。

1201時:G4(師団補給幕僚)より副連隊長へ。
航空機を使用し、LBへの物資投下を計画したい。LBの区域で航空機を使用するには最低12時間が必要。S3は連絡あり次第航空機を出す為に、物資の搭載が完了している事を望む。
S3より副連隊長へ。
連隊長は航空機による補給を要請する。彼らが必要とする物を通知するため、可能であれば数分待たれたい。

1202:副師団長から第131野砲大隊長へ。
CUB航空機(L-4 グラスホッパー)にLB上空を飛行させ、FOへ連絡をとることは可能か?
131野砲回答:LBは1205時にこのメッセージを受信した。

1210時:442連隊より連隊長へ。
I中隊を超越した中隊はいくつか?
連隊長回答:まだ何もない。

1210時:連隊長より第2大隊長へ。
Hill321605へ砲撃し、次に500ヤード近づける。
そちらが敵が居ると考える尾根に効果を与える為の砲撃。

1212時:師団LOから連隊長へ。
師団長はLBが攻撃に出る事を望んでいる。LBに送信したメッセージにはその意図が無い。
連隊長回答:LBは弾薬が欠乏しており、攻撃が可能とは考えられない。
師団LO回答:師団長は第2、第3大隊が攻撃を実施し、LBを救出する事を望んでいる。
442連隊の任務は丘の頂上からPt,9へ向かう事である。
師団長の師団砲兵計画は敵包囲線への砲撃である。
連隊長回答:現在、封鎖線付近にLBの一部が居るため、観測将校によってそれがクリアされない限り、地域へ砲撃しないように。

1240時:S3よりS2へ。
LBよりメッセージ。
命令通りパトロールを派出。友軍に接触できる唯一の方法と考えるが、位置は不明。
おそらくPt,8とPt.N。
こちらのメッセージを伝える前に出発した模様。

1242時:連隊長より師団長へ。
第2大隊が停止し、442連隊はI中隊を戦闘をしながら通過。
師団長が命令した442連隊の1個中隊、F中隊が先端。
E中隊は地点322587の通路にまたがる。
K中隊は南東より反撃に合ったので、そちらへ砲撃を行う。
L中隊は大隊長の指揮下へ戻し、適切に使用させる。
師団長回答:大隊を並べそのまま押せ。

1244時:131野砲大隊長よりS3へ。
砲撃はPt.9へ調整した。

1258時:S3より第2大隊長へ。
砲撃修正、Pt.9の400ヤード南、300ヤード東。

1301時:連隊長より第3大隊長へ。
L中隊を前進させ、K中隊とE中隊間の200ヤードを埋めよ。
各中隊はその位置で圧力を維持。
第3大隊回答:I中隊は数か所の敵を確認し射撃戦闘中、442の火力支援を実施。
戦車1輌をバズーカで撃破し、その他は退却している。

1330時:S3より副連隊長へ。
部隊は1600時に再攻撃を準備中。

1312時:LBより連隊長へ
Pt,8で50名の敵。Pt.Nで7名を確認。28名が負傷している。

1337時 131野砲大隊長よりS3へ。
LBはPt,8とPt.Nへの砲撃を要請。

1340時:連隊長よりLBへ。
第1大隊へのメッセージ。
部隊をPt.30へ移動させ、Pt.30の南東300ヤードでK中隊と接触せよ。
砲兵は最初のメッセージの位置、Pt.Nの東300ヤードのドイツ軍に砲撃する。この命令はポイント30に到着した時点で発令する。

1345時:連隊長より第2、第3大隊長へ。
第3大隊が主力となる。
第2大隊は攻勢を維持し、Pt.9を突破する準備をなせ。
K中隊を除く第3大隊はPt.9からPt.30への攻撃で南への通路をクリアしその間の敵を排除せよ。
砲兵はHill624に照準し、1550時より10分間の準備射撃を行う。
第3大隊はLBの左側で工兵を使用せよ。
第2大隊はPt.9への通路を下り、敵の側面を迂回、敵が谷を下って後退する際に射撃せよ。

1355時:連隊長より442連隊第2大隊長へ。
1600時の攻撃にI中隊が必要な為、引き抜いても良いか?
第2大隊回答:はい。

1422時:LBから連隊長へ。
明日までその位置に留まる許可を要求する。死傷者のため、日中はPt.10に到達できません。
移動前に戦力の半数を戦闘パトロールとして出している事を了解されたい。

1440時:連隊長よりLBへ。
1600時にPt.9から攻撃を行う。攻撃前に10分間、Pt.N近傍に集中射撃を行う。
以前のメッセージに従い、引き続きPt.9及びPt.30への移動を試みよ。

1505時:連隊長より第2大隊長へ。
主攻撃は戦車を伴い、通路を下り強襲する。
通路左側への強襲を維持せよ。
第1大隊長は戦車を随伴する。

1509時:戦車隊LOよりS3へ。
戦車に対戦車砲が指向するのが明確。

1509時:連隊長より第1大隊長へ。
戦車の準備は良いか?
師団長は貴官が戦車と共に前進し指揮を執る事を望んでいる。
回答:準備良し。

1510時:第3大隊長より連隊長へ。
E中隊の1個小隊が不明。K中隊より報告。
連隊長回答:攻撃は1600時に開始する必要がある。

1520時:副連隊長より連隊長へ。
方位070~080°(東方)からまだ発砲がある。
カブ航空機が去る度に敵は砲撃している。
ベルモントの高架に着弾した。

1530時:連隊長より第442連隊へ。
Pt.25へ進まず、Pt.30へ進み、別命あるまで待機されたし。

1533時:131野砲LOより131野砲大隊長へ。
20発の砲撃を15分間受けた。対砲迫射撃を要請する。

1537時:S3よりS2へ。
L中隊とI中隊はPt.9を攻撃、K中隊は針路を確保する。
E中隊とG中隊は東方へ押し出し、突破を計る。
G中隊が派出したパトロールは右側面で戦闘を行ているが連絡を取る。

1550時:連隊長よりS3及び第2大隊長へ。
砲撃開始。戦車を用い、前進せよ。

1600時:副連隊長よりG4(師団補給幕僚)及びLBへ。
の物資投下準備の為の資料要請メッセージを受信したか?
回答:はい。ただし、12時間前に通知する必要があります。消耗品については、材料の梱包を開始する前に、投下する特定の時間と場所が必要です。投下物資を知らされたし。

副連隊長より連隊長へ:
投下補給品について。
2日分のKレーションと水、医療用品。
45口径弾薬1ケース、30カーバイン弾薬1ケース、MG(機関銃)2ケース、M1弾薬30口径4ケース。
通信士官は次のバッテリーを投下したいと考えている。
BA-70を4、BA-39を2、BA-40を6。
投下時間0800時、投下地点349573を調整中。
朝0800時ならば霧がかかるので、その時間以外は投下が出来ないでしょう。

1600時:師団長より連隊長へ。
砲撃の集中はどうか?
連隊長回答:攻撃準備射撃は終了する必要がある。
F中隊の観測員は敵砲兵に射撃した。位置は地点314573.
F中隊は地点320577で小火器による射撃を受けた。
師団長回答:F中隊の位置を確認せよ。

1603時:131野砲大隊長より連隊長へ。
各砲15発、2個中隊が砲撃を実施した。

1618時:連隊長より131野砲大隊長へ。
効果を知らせ。
131野砲回答:最初の砲弾は100ヤード不足した。
範囲が拡大し、それ以降の報告は無い。

1622時:第2大隊長より連隊長へ。
F中隊は地点316575、FOは側面の通路を開くために迫撃砲で射撃する。
攻撃は時間通り開始し、G中隊は通路側面の地点318580で遭遇、現在対処中。

1630時:131野砲大隊長より連隊長へ。
状況知らせ。
連隊長回答:砲撃は受けていないが、機関銃、迫撃砲及び小火器を受けている。

1637時:第3大隊副大隊長よりS3へ。
L中隊移動中、その後の情報なし。

1642時:S3より442連隊第2大隊長へ。
第7連隊の道路障害にパトロールを派出せよ。I中隊とFOは準備を中止した。

1650時:戦車大隊LOよりS3へ。
移動し、大隊の火力支援を行う。

1702時:連隊長より第3大隊副大隊長へ。
Pt.9への通路を押し下げ、開通させよ。本日は戦車がダウンした。

1715時:S3よりS3補助へ。
攻撃は1600時、定刻通り開始。
L中隊は前線へ移動、その他の報告なし。
追走した442連隊G中隊は撃退されたが、詳細は不明。
442連隊G中隊は第3師団の一部と接触するためのパトロールを派出するが、事前の状況が明らかになるまで出発はしない。
各方面で小火器による圧迫を受けている。

1720時:連隊長より師団長へ。
戦車は地点330591まで通路を下り、第3大隊を推し進めている。

1720時:第2大隊長よりS3へ。
F中隊展開、その1個小隊は地点316576の北側に、少なくとも3挺の機関銃を備え、小銃擲弾と自動火器を装備した敵の前線を確認。
地点314574の森の端に位置するF中隊の1個小隊と観測員は、地点318573の建物の付近で迫撃砲を観測、今砲撃を行わせる。また地点329576の森に高射砲を確認。
F中隊は地点315580に前哨を置き、敵の侵入を防ぐ。
G中隊はルート上。
E中隊の1個小隊は攻撃時、自動火器の射撃に遭遇したが、以降連絡はない。
S3回答:155野砲大隊をのPt.N及びPt.2から西を砲撃させる。

1720時:LBから連隊長へ。
ポイント10に位置する強力な敵により、前進は停止。側面はMG(機関銃)と多くの地雷原によりカバーされ、停止させられた。以前のLD(攻撃開始線)まで撤退した。

1720時:442連隊第2大隊より連隊長へ。
G中隊はL中隊が居た地点。
E中隊は地点320599、先遣小隊は地点322596。
F中隊は141連隊K中隊が居た地点の南西200ヤード。
I中隊は141連隊L中隊と共にPt.28のそびえ立つ長い尾根へ向かう。
連隊長回答:E中隊先遣小隊は道路を横切り、地点323599まで前進せよ。

1720時:LBより連隊長へ。
Pt.10で強力な地雷原と機関銃に覆われた地域に当たり、以前の攻撃開始線まで後退した。

1750時 G3からCOへ:G3より連隊長へ。
物資投下準備完了。

1752時:師団砲兵指揮官より連隊長。
攻撃準備射撃の効果は確認できない。

1759時:G3よりS3へ。
第6軍団司令官は442連隊第2大隊を延伸させ、パトロールではなく直接的に141連隊左翼を7連隊と接続させて左側面を強化したいと考えている。

1800時:連隊長よりLBへ。
明朝0800時以降、地点344574に木箱に詰めた食料、弾薬、水を届ける。
煙または何か白いもの、で表示を行え。どちらを使用するか知らせ。
了解したら報告せよ。

1820時:S3より442連隊第2大隊へ。
442連隊F中隊をメイルフィン=MAILLEUFAINGの北東へ移動させ、次の4つの道路に障害を設置、第7歩兵連隊と物理的に接触せよ。
今夜パトロールを派出し、これを実施せよ。
道路障害は師団境界となる。移動開始時に報告せよ。


1840時:LBより連隊長へ。
必要な医薬品、3日間配給なし。現在の死傷者7名。任務部隊と合流するために派出した、我のパトロールは把握しているか? 攻撃前に可能な限りの弾薬が必要。

1905時:戦車大隊LOよりS3へ。
戦車は1500ヤード移動しただ、誰にも接触できなかった。
現在第3大隊本部がL中隊を見失っているため、戦車は本部にある。

1905時:師団長より連隊長へ。
LBと連絡があるか?
連隊長回答:
定期的に無線である。
師団長回答:
ビフォンテーヌの向かい側、開けた地点へLBを出すのが良策である。
連隊長回答:
その計画はすでに議論されているが担架が足りず、良い案とは思わない。
師団長回答:負傷者をそのままに、とは命令しないがLBは今夜移動する必要がある。

1912時:G3よりS3へ。
気象条件が許せば、0800時にLBへの物資の空中投下が実施される。天候不良の場合、それは適切な時期に行われる。
すべての防空部隊及び他の関係部隊へ通知済み。 航空機は戦闘機爆撃機になる予定。

1912時:第2大隊長よりS2へ。
敵の前線は地点316575から地点317580まで伸びており、北東からhill624に向かっています。
地点310578の小さな丘にMGを装備した敵の小さなグループが配置されている。

敵は壕に入り、戦線に沿っていくつかの自動火器を持っています。
観察された敵の要員は、よく訓練された軍隊であるという印象を持つ。
彼らは輪郭を隠すためにヘルメットの上にフードが取り付けられた迷彩服を着ているので、狙撃兵かもしれない。
樹木に沿って地点318574に少なくとも2門の120mm迫撃砲。
森の中の自走砲は地点378575(318575の誤りと推察)。
地点375562(315562の誤りと推察)の森の端に沿った位置に敵砲兵中隊。

敵歩兵の分隊が地点311567の付近から第143連隊のパトロールに対し発砲。
パトロールは、ビフォンテーヌの北東の道路で重車両の通行を報告。
Hill624には敵の周辺にSマイン(対人地雷)が設置されている。
第442連隊第2大隊長は、彼らが受けている機関銃の発砲から、地点373605(313605の誤りと推察)の針路上に陣地に入った100人の敵を推定。
本日午後、地点315601におけるG中隊の道路障害に対する小規模な反撃は撃退。


1953時:師団長より連隊長へ。
第3大隊からの新たな情報は無いか?
連隊長回答:無し。

1955時:第2大隊長より連隊長へ。
E中隊のすべての小隊長と下士官は死傷、各小隊に10名しか残っていない。
F中隊の正面には12挺の機関銃と100名の敵が推定。
左翼が露出し、丘の上にも動きが聞こえる。
143連隊のパトロールは谷が大きく開いていると伝えた。
連隊長回答:
隙間を埋める為に偵察小隊を送る。F中隊が活動するのを朝まで待つのを認める。

2010時:LBより連隊長へ。
我々の周囲、小さな開放地は0745時に白色のマーカー、可能であれば黄色の発煙でマークする。
弾薬、食糧、煙草、医薬品を要請。
敵が常に観測しているため、我々の位置を察知しないように。
我々のパトロールから聞いているか?

2015時:連隊長から師団長へ。
E中隊は小火器による苛烈な射撃を受けて移動していない。2個小隊から9名の死傷者。G中隊は機関銃の射撃を受けて停止中。
F中隊は移動中。
第3大隊からの報告は無い。
第2大隊の位置。
F中隊 FOを含む1個小隊は地点312573。1個小隊は地点313579、1個小隊は地点311584の道路障害。敵の位置は地点312581。
G中隊 1個小隊は312585、1個小隊は314583、1個小隊は317585。
E中隊 1個小隊は319589、1個小隊は320588、1個小隊は他の2小隊を追従中。

2017時:S3よりG-3へ。
午後の砲撃は少な目だった。

2037時:第3大隊より連隊長へ。
I中隊と付随するFOは彼らが行った地点に到達し、壕を掘った。
大隊はこれがPt.9だと考える。

2100時:S2より副連隊長へ。
本日午後のK中隊の位置は442連隊の位置。

2100時:連隊長よりS3へ。
新たな指揮官による偵察小隊を可及的速やかに前線指揮所へ送る。
これによりE、F両中隊間の隙間を埋めよ。

2102時:S3より師団長へ。
第3大隊からはまだ受信していない。
師団長回答:第3大隊に付随する砲兵FOからの報告は無いか?
S3回答:確認する。

2105時:131野砲大隊長よりS3へ。
第3大隊付随のFOから少し前に報告はあったが、位置情報は得ていない。

2120時:S3より副連隊長へ。
偵察小隊出発。

2125時:第3大隊副大隊長より連隊長へ。
伝令が到着、担架分隊を取得した。
連隊長回答:伝令が戻り次第、有線班を派出し部隊の配置を完了せよ。

2145時:連隊長よりLBへ。
補給を送る。パトロールは接触できなかった。
航空機が来たら発煙せよ。

2145時:連隊長より師団長へ。
L中隊より担架兵の要請があり、第3大隊の位置の取得を試みる。
師団長回答:第442連隊が明日、141連隊の攻勢位置を超越しLBへの接触を試みる。
連隊長回答:ビフォンテーヌの北東の敵に対し砲兵、迫撃砲、バスーカ、ライフルグレネードで集中射撃を行う計画。尾根の主要な大部分を叩ききる
1000時にLBに補給品投下を計画されたい。
師団長回答:計画を承認。

2218時:第3大隊長より連隊長へ。
地点322595の前線の400ヤード南に居る。
L中隊の位置、地点325590。
I中隊の位置、地点323597においてK中隊と接続中で、Pt.30の南方に敵を察知中。
K中隊の位置、323591。
1輌の中戦車が大隊に居る。
約75から100名の敵が大隊の正面、少なくとも3挺の機関銃を据えて陣地にいるため、今夜は壕を掘り待機する計画。

2225時:副連隊長より3Sへ。
2245時に偵察小隊が出発する。

2240時:連隊長より師団長へ。
第3大隊は中戦車1輌を持ち、左翼にいる。戦車2輌はやられた。
敵は2個中隊、それぞれ約100名で8挺の機関銃を持ち、第3大隊の正面に位置している。
補給ルートを使用しLBに近接、Pt.9より400ヤードに到達、夜間の為壕を掘り待機する。
偵察小隊をE、K両中隊の隙間に配置する。
F中隊は地点317575で敵が構築作業をしているのを聴知。

2240時:442連隊S3よりS3へ。
副師団長は141連隊に対しI,K,L,E及びG中隊から将校による概要を0300時に442連隊指揮所へ報告するよう命令。

2253時:G3よりS3へ。
第3化学戦大隊C中隊は442連隊へ赴き、指揮官またはLOが速やかに442連隊指揮所に入る。

2255時:442連隊S3よりS3へ。
第442連隊長は0700に141連隊の前線指揮所に入る。
第753戦車大隊のB、D両中隊長及び第636戦車駆逐大隊C中隊長と協議を望むので通知されたい。

2310時:連隊長よりLBへ。
航空機による補給品投下は1100時。
強力な友軍部隊が来ている。

2350時:副師団長より連隊長へ。
F中隊は前線前方に442連隊の1個中隊を加える事により、再編せよ。
131野砲大隊FOは522野砲大隊を加え、442連隊を直接支援する。
将校は0300時に442連隊指揮所に概要を報告せよ。
第1大隊長は前線に留まり、LBが救助または接触できた際に指揮を復帰する。
1000時、攻撃開始。
442連隊の要請がなく、また陣地にいた敵が442連隊の側面に回り込む際は141連隊が火力を送る。
救出後、連隊はベルモントで現在442連隊が使用していた場所を提供する。

Vosgesの戦闘 第442連隊戦闘団 Vol.3「失われた大隊」
1944年10月26日 第141連隊の行動概要

10月25日早朝、失われた大隊から本隊への脱出に成功したホレス・マレ二等兵=Pvt. Horace Maleの報告により、第141連隊、及び上級部隊である第36師団は第1大隊が包囲された事を正確に把握します。
第141連隊は残る第2、第3大隊を使用してその突破を試みますが、いずれも失敗に終わります。
10月26日の1600時から開始された総攻撃は各所で大きな損害を出し、支援の戦車も撃破され散々な結果でした。
周到なドイツ軍の包囲が固く、無線以外の手段では失われた大隊へ連絡を付ける事もかなわず、また失われた大隊も戦力、糧食、医薬品、弾薬全てが不足し、身動きが取れなくなりました。
ここに来て10月25日、第36師団は第141連隊独力での救出は困難であると判断、師団を上げての救出作戦が必要である事を認識し、他の第143連隊と第442連隊戦闘団の投入を決定します。
夜間の時点で、第2大隊は大きな被害を受けて身動きが取れず、E中隊ではすべての将校、下士官が死傷。F中隊も倍近い敵を正面にして停止。G中隊は機関銃の射撃を受けて同じく停止していました。
第3大隊は森の奥へ入り込んだものの、やはり激しい敵の抵抗を受け、連隊との連絡も途絶し連隊本部や師団では新たな「失われた大隊」となる可能性も示唆していたのがわかります。


次回は第442連隊戦闘団による救出作戦の詳細を掲載いたします。





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